「国内では戦わない」 沖縄のそろばん教室が海外に商機を見いだしたワケ(2/4 ページ)
電卓やAIが普及する今、なぜ「そろばん」が再評価されているのか。開校から数年で生徒数200人に成長した沖縄の「むらそろばん」は、英国や豪州、ニュージーランドにも進出。世界市場を見据えた独自戦略を追った。
なぜ海外に目を向けたのか? 国内の競合回避と「企業化」への道
県内でも着々と生徒数を伸ばしているが、どういった理由で海外を目指したのか。背景には「家業から企業へ」という兄弟の強い思いがある。彼らの実家は祖父の代から53年続くそろばん教室であり、現在も祖父と母親と叔父が中心となって3つの教室を運営している。
「そろばんって家族経営がすごく多いんですよ。講師という仕事が職業として成り立っている公文式(KUMON)をロールモデルとして、家業から企業にしたいと考えていました」(彪雅氏)
実際、むらそろばんの現在の年商は約2500万円。開校から数年で生徒数200人を抱えるまで成長しており、兄弟は個人教室の枠を超えた「教育企業」としての展開を目指している。
企業化を目指すにあたって、彼らはあえて国内の大手と「同じ土俵で戦わない」という戦略を取った。
「日本のそろばん業界には『石戸式』という約400教室を展開する強力なフランチャイズがすでに存在しています。国内で戦うのは現実的ではないと考え、拡大の余地がある海外に目を向けました」(彪雅氏)
海外展開の最初の足がかりとなったのは、実は宜野湾校がオープンする前の2022年9月。夏休みに英国から一時帰国していた親子が、勇力氏が当時働いていた実家のそろばん教室に1カ月ほど通っていた。親子が英国に戻る際に、同氏が「そろばんをオンラインで続けてみませんか?」と提案したことがきっかけとなった。
現地の日本人が中心ではあるが、口コミで徐々に広がり、現在は中高生を中心に約20人がオンラインでそろばんを学んでいる。授業料は月4回で8800円。最近は日本語が話せない生徒もおり、言語の壁はあるものの、英語が堪能な講師を複数名採用することで、問題なくコミュニケーションが取れているという。
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