「100万台」も減った自販機 深刻化する「価格が高すぎる問題」 飲料メーカーが探る“勝ち筋”とは:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/4 ページ)
自動販売機が減少の一途をたどっている。各飲料メーカーは、どのように立て直しを図ろうとしているのか?
伊藤園は自販機事業を集約
伊藤園の2026年4月期連結決算は、売上高が約4979億円(前年同期比5.3%増)、営業利益が約217億円(同5.6%減)と決して悪くない。人件費、輸送費、原料費などのコスト高を考えれば、許容できる範囲だろう。しかし、最終利益は同75.5%減の約35億円と、大幅減となった。
第3四半期決算時、伊藤園は自販機事業の収益悪化により、当該事業関連の減損損失を約138億円計上。最終損失は約8800万円と赤字に転落した。通期では巻き返したが、自販機撤去を主とする減損損失の影響で大幅減となってしまった形だ。
伊藤園の自販機は2015年には約16万5000台あったが、2025年12月末には半数以下の約7万5000台に減少している。子会社の伊藤園ネオスは約5万台を保有しており、グループ全体では約12万5000万台が稼働していることになるが、自販機ビジネスの効率化と再構築が課題だった。
伊藤園の事業は、「お〜いお茶」を中心とする飲料のリーフ・ドリンク関連事業がメインで、「タリーズコーヒー」などの飲食関連事業も有している。
2026年4月期の売上高は、リーフ・ドリンク事業が約4434億円(同5.5%増)、飲食関連事業が約465億円(同6.2%増)と順調に伸びていた。しかし、リーフ・ドリンク事業の営業利益は同8.0%減。原材料費、人件費、輸送費などの高騰の影響もあるとはいえ、自販機の不振が足を引っ張ったことが影響している。
伊藤園の自販機の売上比率は年々低下し、現在は5%ほどだが、スーパーやコンビニが近くにない場所での需要に応えられるメリットがある。また、コロナ前の2019年には約15%のシェアを持っており、潜在力はある。
伊藤園は自販機事業の再構築のため、自販機の設置や保守・管理を伊藤園ネオスに一本化。効率的な運営を行える体制へと変更した。
伊藤園ネオスは1985年、UCC上島珈琲の自販機事業を担う会社として設立された。その後、ネスレグループの傘下に入り、複数メーカーの商品を扱うようになった。2012年に伊藤園が買収したのも、自社だけでは手薄だった自販機網を強化する狙いがあった。
今回、伊藤園が自販機事業を伊藤園ネオスに集約することで、自社商品の販売網を維持しつつ、他社商品も含めた品ぞろえの最適化がしやすくなる。お茶やコーヒーだけでなく、炭酸飲料や水、機能性飲料なども組み合わせ、1台当たりの売り上げを高めよういう姿勢がうかがえる。
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