サントリーは東京の会社ではない 知られざる大阪企業のルーツ:大阪ビジネス(2/4 ページ)
サントリーといえば「響」や「山崎」で知られる日本を代表する飲料メーカーだ。しかし、その原点は大阪の商人文化にある。「やってみなはれ」の精神はどのように生まれ、世界的ブランドを育てたのか。
プレミアムウイスキーといえばサントリー
「サントリー」といえば、ザ・プレミアム・モルツや、角瓶、なっちゃんなど、お酒からソフトドリンクまで幅広いラインアップを展開する、言わずと知れた一大飲料メーカーです。
CMも爽やかで、「なんとなく東京の企業かな?」と思っている人もいるかもしれません。しかし、実はサントリーは根っからの大阪企業。サントリーがここまでの企業に成長したのは、大阪商人のチャレンジ精神があったからです。
サントリーは1899年(明治32年)、鳥井信治郎氏が大阪市に「鳥井商店」を創業したのが始まりです。当初はぶどう酒の製造販売がメインで、1907年(明治40年)に「赤玉ポートワイン」を発売すると、驚異的な売り上げを記録しました。
「サントリー」という社名は、赤玉を太陽に見立てた「サン(sun)」と、鳥井氏の「トリー」から来ています。それだけ「赤玉ポートワイン」はサントリーの歴史を語るには外せない商品だということです。ここまで「赤玉ポートワイン」がヒットした理由。それは、日本人の舌を徹底的に研究したことと、大胆な広告戦略でした。
日本ではまだワイン文化が根付いておらず、「葡萄酒=薬用」という時代でした。そんな時、鳥井氏は試飲会でポートワインに出会い、そのおいしさに驚きました。しかし、予想に反してそのワインはほとんど売れませんでした。葡萄酒=薬用という世間の常識の壁は予想以上に高く、当時の日本人には受け入れられなかったのです。
そこで、輸入ワインに甘味料や香料をブレンドし、日本人が好む甘くて飲みやすい薬用酒のような位置づけで売り出したのです。発売当時の赤玉は一瓶38銭。米一升(約1.5kg)が10銭だったことを考えると、かなりの贅沢(ぜいたく)品でした。
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