サントリーは東京の会社ではない 知られざる大阪企業のルーツ:大阪ビジネス(3/4 ページ)
サントリーといえば「響」や「山崎」で知られる日本を代表する飲料メーカーだ。しかし、その原点は大阪の商人文化にある。「やってみなはれ」の精神はどのように生まれ、世界的ブランドを育てたのか。
発売当初、売れ行きが伸び悩むなか、鳥井氏が力を入れたのが広告でした。「いいものを作らないと売れない。ただ、いいものを作ってもそれを知ってもらわないことには売れへんのや」。そこで、オペラ団の赤玉楽劇座を結成し各地を巡業しながらお得意様を招待し、つながりを深めました。
そして、1922年(大正11年)には、楽劇座のプリマドンナ(オペラの主役となる女性歌手)を起用した日本初のヌードポスターを作成。警察当局からのクレームがついたほどの広告戦略で、世間をあっと言わせました。上品ぶるのではなく、大衆の欲望や好奇心を鷲掴みにする。このあたりの「コテコテの宣伝上手」はいかにも大阪的です。
鳥井氏の快進撃はまだまだ続きます。赤玉ポートワインでもうけた資金を、「国産ウイスキーづくり」という、当時の常識では考えられない事業に突っ込みました。周囲は猛反対です。「日本でウイスキー? つくれるわけがない」「つくっても売れるわけがない」「社長は道楽で会社を潰す気か」。それでも、鳥井氏は「やってみなはれ」と言いました。これは鳥井氏が信仰していた和尚さんに励まされた言葉で、鳥井氏のチャレンジ精神の原動力になっています。
鳥井氏はスコットランドで本場のスコッチウイスキーの製造を学んだ、後のニッカウヰスキーの創業者として知られる竹鶴政孝氏を招き、ウイスキーの製造を開始。日本人の味覚に合うウイスキーになるよう研究して、1929年(昭和4年)に「サントリーウイスキー白札」を発売。
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