なぜ「皮だけ」「ガリだけ」が売れるのか 販売データで見えたドンキ「偏愛めし」の買われ方:インタビュー劇場(不定期公演)(2/5 ページ)
「ガリだけ丼」「皮だけフライドチキン」など、一見ネタのような商品が並ぶドン・キホーテの「偏愛めし」。累計1122万点を販売した裏側には、「誰かの120点」を追求する商品開発と、販売データから見えてきた意外な購買行動があった。
一番人気は「あんだく溺れ天津飯」
土肥: 偏愛めしの売り上げが好調に推移しているようですね。2026年1〜5月の販売データを見ると、1位は「あんだく溺れ天津飯」。天津飯にしょうゆベースのだしとオイスターソースが香る餡(あん)をかけた商品で、開発にあたって「容器に入る限界ギリギリまで餡をかけることにこだわった」そうですね。
2位は「はみだしすぎィな鶏つくねおにぎり」、3位は「はみだしすぎィなチキン南蛮おにぎり」。どれも、思わずツッコミたくなる商品名が付いていますが、そもそもどういったきっかけでこのブランドを立ち上げたのでしょうか?
近藤: 偏愛めしが登場したのは2023年11月のことですが、当時、大きな課題がありました。それは「ドンキで総菜を販売している」という認知度が低いこと。ドンキらしさを感じられるとがった商品を開発できないか、ドンキでしか買えないような弁当や総菜を提供できないか。開発メンバーはそのようなことを考えていく中で、コンセプトを決めました。それは「みんなの75点より、誰かの120点」。
なぜ、このコンセプトに決まったのかというと、以前のドンキは“万人受け”を狙っていたんですよね。75点の商品を販売したものの、なかなか売れませんでした。そうした失敗を繰り返していく中で、「好きな人は絶対に好き」といったものを開発できないか。誰かに「120点」と思ってもらえる商品を届けようと決めました。
土肥: 120点を狙うということは、どうしてもとがった商品になりますよね。「またドンキが遊んでいるよ」「食べもので遊んでいるんじゃないの?」といった声が出てきそうですが、そういった不安はなかったでしょうか?
近藤: これまでになかったような商品を提供しているので、遊んでいるように受け取る人もいるかもしれません。ただ、その商品をつくることには、きちんとした根拠があるんですよね。
まずは「実際にこういう食べ方をしている人がいる」ということをリサーチします。その上で試食を重ね、偏愛めしのコンセプトに合っているかを議論しながら商品化を進めています。
多くの人は「自分はこの食べ方が好きだけれど、ちょっと恥ずかしくて他人には言えないよな」といった心のうちに秘めているものがあると思うんですよね。
土肥: カレーに納豆とか、スイカにマヨネーズとか。
近藤: 恥ずかしいので、他人には言えない。そうしたマニアックな食べ方を、偏愛めしは肯定できるのではないか。例えば、きくらげだらけの中華丼がありますが、そういった商品を見て、「こういう食べ方もあるんだ」と気付きのようなものを感じてもらえればと思っています。
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