2015年7月27日以前の記事
検索
ニュース

なぜライバルの「KDDI」と「ドコモ」は手を組むのか 5G「ミリ波」を広げる“割り勘作戦”とは(2/4 ページ)

KDDIとNTTドコモが共同でミリ波向け「共用中継器」を開発した。普及が進まなかった高速通信「ミリ波」に、なぜ今投資するのか。

Share
Tweet
LINE
Hatena

ミリ波整備のコストを抑える「割り勘作戦」

 しかし近年は、ミリ波をより広く活用するための技術開発が進んでいる。例えば、スタジアムや駅構内など、人が集まる限られた場所であればミリ波を活用しやすい。その一例が、KDDIがJR東日本と共同で実施した、山手線の車内でミリ波を利用する実証実験だ。

 これまで、電車の車内には窓ガラスがあるため、ミリ波が通り抜けられないという課題があった。そこで、窓ガラスにミリ波を中継するアンテナを取り付け、外の電波をキャッチして、車内に再放出する手法が開発された。この実験の結果、山手線の車内におけるミリ波のカバー率は車両全体の約40%から約97%に改善されたという。


山手線の車内でミリ波を利用する実証実験を実施した

 今回のKDDIとNTTドコモによる共用中継器も、こうした技術の進展を背景に開発された。

 新たな中継器は本体が重さ約4.9キロと、一般的な基地局と比べて約7割軽く、街路灯などに設置しやすい。最大の特徴は、KDDIとドコモの電波を1台で同時に中継できることだ。従来は通信会社ごとに設備を設置していたが、共用することで施工費や設置スペースを抑えられる。

 また、電波状況に応じて最適なアンテナを自動で選択し、通信経路も自動で切り替える機能を搭載。新たな建物の建設や樹木の成長などで電波が遮られても、より通信品質の高いルートへ切り替えられる。

 これまで通信キャリアは、いかに他社よりも早く、広いエリアをカバーするかという「自社網の整備」で競い合ってきた。しかし、ミリ波のように100〜200メートルしか電波が届かない周波数帯を、自社単独で隙間なく張り巡らせることは、設置場所の確保や施工工事、機器コストの面から非常に難しい。

 そこで1台の中継器を共同で利用し、費用を分担し合う、いわば「割り勘」のような作戦を両社が取ろうとしているのではないか、と見られている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

ページトップに戻る