「ポイントは失効した方が得」ではない ドコモが4000億ポイント消費を喜ぶ理由:「ポイント経済圏」定点観測(1/5 ページ)
「ポイントは失効したほうが発行元の得」という常識は本当なのか。NTTドコモはdポイントの年間消費数が初めて4000億ポイントを突破したことを強調する。失効より「使われる」ことを重視する理由と、その裏にあるポイント事業のビジネスモデルを追った。
「ポイント経済圏」定点観測:
キャッシュレス化が進む中、ポイントは単なる「お得」から「経済活動の一部」へと変貌を遂げている。本連載では、クレジットカード、QR決済、電子マネーを中心としたポイントプログラムの最新動向を追い、企業の戦略やユーザーへの影響などを分析する。
ポイントは使われずに失効したほうが、発行元の懐は痛まない――。そう考えるのが自然だろう。だがNTTドコモは、dポイントの2025年度の年間消費数4052億ポイントを「初の4000億突破」として打ち出した。使われたほうが得だという計算が、ドコモにはある。
4000億ポイントの約8割は「ドコモの外」で使われた
ドコモは2026年5月21日、dポイントの2025年度(2025年4月〜2026年3月)の年間ポイント消費数が4052億ポイントに達したと発表した。前年度比で約25%増。内訳は全国のdポイント・d払い加盟店での利用が3389億ポイントと約8割を占め、ドコモのサービス・商品での利用は、663億ポイントにとどまる。
2025年度に使われたdポイント4052億ポイントのうち、83.6%にあたる3389億ポイントは外部の加盟店での利用だった。ドコモ内で囲い込むのではなく、街の店で使われることがこのポイントの性格を示している(ChatGPTを用いて筆者作成)
「実際に使われてこそポイントの価値がある。加盟店での利用が8割を占めるのも特徴だと思っている」。NTTドコモ コンシューマ戦略部 会員戦略担当課長の山崎佳美氏の説明だ。
年間消費数は2020年度に2000億、2022年度に3000億を超え、そこから3年で次の大台に乗った。2023〜24年度には一時減っているが、「2022年1月から2023年9月までマイナポイントの施策があった。その影響を除くと、年々順調に伸びている」(山崎氏)という。
マイナポイント第2弾の申込期限は、2023年9月末だった。官製の追い風がなくなった反動が、数字の落ち込みとして表れた格好だ。
年間利用量は2022年度に3000億ポイントを超えたが、マイナポイント施策の終了後にあたる2023〜24年度は伸び悩んだ。2025年度は前年度比24.8%増の4052億ポイントと反発し、過去最高を更新した(ChatGPTを用いて筆者作成)
そもそも、この指標の立て方自体が他社と違う。楽天グループは2025年11月、楽天ポイントの累計発行数が5兆ポイントを突破したと発表した。年間発行は6500億ポイントを超える。PayPayが前面に出すのは決済回数74.6億回(2024年)と登録ユーザー7000万人で、年間のポイント付与数は定例開示していない。発行数や会員数ではなく、「消費された量」を前面に打ち出す発表は、大手共通ポイントでは珍しい。
大手ポイントは同じ「ポイント」でも、競争力として前面に出す指標が異なる。ドコモは発行量や会員数ではなく、実際に消費された量(2025年度で4052億ポイント)を旗印に据えている(ChatGPTを用いて筆者作成)
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