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「JAL史上最大のプロジェクト」 足かけ7年、費用は800億円──旅客システム刷新を成功させたマネジメント術とは

JALが800億円、7年かけた「旅客基幹システム」刷新プロジェクト。長期間にわたって多くの関係者が携わった同取り組みを成功させた、マネジメント術に迫る。

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 「JAL史上最大のプロジェクトだった」――約800億円を投じ、7年かけた日本航空(JAL)の「旅客基幹システム」刷新について、同取り組みを指揮した西畑智博氏(当時、JALの執行役員)はこう振り返る。

 旅客基幹システムは、航空会社の心臓部だ。航空券の予約・発券から、空港での搭乗手続き、運賃管理などに至るまで、旅客サービス全体を支えている。JALは、この巨大なシステムを約50年にわたり自力で守り抜いてきた。

 しかし、システム維持費の上昇、市場の変化、技術の陳腐化といった課題に直面。長年連れ添った自社システムから、新システムへの切り替えを決断した。国内線・国際線を同時に変えるため、移行する必要があるデータは1300万件に上った。切り替え作業にかけられるのは、システム停止が許されるわずか6時間だけ。

 「SAKURAプロジェクト」と名付けられた同社の取り組みを解剖すると、大規模プロジェクトを成功に導くためのマネジメント術が見えてくる。

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SAKURAプロジェクトの概要について説明する西畑智博氏(出所:西畑氏の講演資料、講演動画のキャプチャー)

本記事は、アイティメディアが5月18〜21日に開催した「Enterprise IT Summit 2026」内の講演、JALカードの西畑智博氏(社長CEO)による「JAL旅客基幹システム刷新『SAKURAプロジェクト』からの学びとAI〜3の法則〜」の内容を記事化したものです。講演内容および講演者情報は配信当時(2026年5月20日)の情報となります。


「JAL史上最大のプロジェクト」を成功させたマネジメント術とは

 旧旅客基幹システムは、JALとグループ会社の従業員や、旅行会社など約1万2000人が使っていた。システム移行によって慣れ親しんだ操作が変わるため、西畑氏は「ユーザーの抵抗が大きかった。プロフェッショナルほど抵抗した」と明かす。

 システム開発の手法を巡っても懸念点があった。システムの全体像を設計して開発に着手する従来手法ではなく、完成した機能から順にリリースする「アジャイル手法」を採用。柔軟に開発できる一方で「これで前に進んでいいのかという不安が、常につきまとう状況だった」と西畑氏は語る。

 そこで西畑氏が導入したのが「プロジェクトマーケティング」という発想だ。実施中のプロジェクトを「社内外にマーケティングする」という考え方で、役員や740人の現場社員、共に開発するパートナー企業40社以上を巻き込むためのコミュニケーションやブランディングを強化した。

 取り組みの一つが、プロジェクト推進の合言葉として掲げた「One BOAT」だ。西畑氏は「これだけたくさんのメンバーが1つのボートに乗ってゴールを目指す。成功するときは全員で」という思いを込めたと説明する。

 一体感を醸成するため、SAKURAプロジェクトのロゴを作成した。システム移行当日は、2000人が同じTシャツを着て本番に臨んだという。

 さらに西畑氏は、感謝の意を込めて「1662枚のサンクスカードを書いた」と明かす。関係者一人一人に手書きのカードを手渡しして、強固な信頼関係を築き上げた。

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SAKURAプロジェクトでは合言葉にOne BOATを掲げた(出所:西畑氏の講演資料、講演動画のキャプチャー)

チーム間の隙間、どう減らした?

 巨大プロジェクトを円滑に動かすため、西畑氏が取り入れたのが「プロアクティブマネジメント」と呼ばれる手法だ。メンバーの視座を上げるため、ポジションの1つ上の目線――現場社員はリーダーの目線、役員は社長の目線を意識するよう促した。

 視座を高くすることで、プロジェクト全体を俯瞰できる。隣のチームの動きを見ながら、チーム間の隙間を減らすよう行動できるという。これもOne BOATを実現した要素の一つだ。

スケジュール厳守で「やめる機能」見極めよ

 新システムへの移行日である2017年11月16日から遅れないよう、スケジュール厳守でプロジェクトを進めたと西畑氏は言う。新規開発となると「できること」「やりたいこと」はさまざま出てくる。しかし同社は、期日を設けて「やめる機能」を見極めるなど、システムのスリム化を強化したという。

 そして移行当日。JALは、大きなトラブルを起こすことなくシステム移行を完遂した。西畑氏は、当日のことを「忘れられない」と表現する。

 困難にみえる大規模プロジェクトであっても、それを支える「人」にフォーカスし、信頼関係を築いたり適切なマネジメントをしたりすることで、成功につなげられる。JALの成功事例は、それを教えてくれるようだ。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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