水道管から始まった世界企業 クボタが世界150カ国で支持される理由:大阪ビジネス(1/3 ページ)
クボタはなぜ世界150カ国以上で支持される企業になったのか。原点は、コレラの流行に立ち向かうため水道管の国産化に挑んだ創業者の使命感にあった。食料・水・環境を支える企業へ成長した軌跡をたどる。
この記事は、書籍『大阪ビジネス』(大野雄斗/クロスメディア・パブリッシング)に、編集を加えて転載したものです。なお、文中の内容・肩書などは全て出版当時のものです。
大阪創業の企業の中で、その存在が文字通り「地球規模」で人々の生命線を支えているのが株式会社クボタです。トラクターやコンバイン(稲や麦、大豆などの農作物の「刈り取り・脱穀・選別」までの三工程を一台で同時に行う収穫機械)といった農業機械は日本トップシェア、世界でも3位のトップメーカー。
さらに、水道管の事業を世界的に展開して地球のインフラを支えていますが、その原点は1890年(明治23年)の大阪にありました。
創業者である大出権四郎氏(のちに久保田姓となる)が、1890年、わずか19歳で大阪市内に「大出鋳物」を設立したのがすべての始まりです。
クボタの歴史において、最初の決定的な転換点となったのは「水道用鉄管」の国産化への挑戦でした。明治時代の日本は近代化の真っ只中にありましたが、衛生環境の悪さからコレラなどの伝染病がまん延し、多くの命が失われていました。
安全な水を供給するための水道整備は国を挙げての急務でしたが、多くの企業が鉄管をつくろうとするも、技術力が足りずとん挫。結局、高価な輸入品に頼るしかありませんでした。壁が高いことは明らかな状況でしたが、大出氏は「だからこそ鉄管をつくらなければ」という強烈な使命感を抱きました。
鉄管は単純な円筒形をつくるだけのようにも思えますが、実際には、長いものになると厚みのばらつきなどが出てどうしてもうまくいきませんでした。しかも、文献や経験者の助言もなく、まったくの手探りで改良を重ねていくしかない状況に、最初は協力していた職人からも段々と見放されていきました。しかし、大出氏は自らの信念に従い、決して開発を断念しませんでした。
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