コラム
なぜ象印は「象」をマークに選んだのか タイガーとの競争とブランド戦略:大阪ビジネス(3/3 ページ)
象印はなぜ「象」をブランドマークに選んだのか。その背景には、競合タイガーとの市場競争と、家族的で温かい象のイメージを重ねた戦略があった。大阪の魔法瓶産業の中で育まれたブランド形成の歴史をひもとく。
さて、これまでに紹介した象印、タイガーのほかに、ピーコック魔法瓶も実は大阪創業です。なぜ、大阪で魔法瓶がこれほどまでに発展したのか。そこには大阪特有の産業構造がありました。当時の大阪は特にガラス製品の製造が地場産業として根付いていました。電球の製造に必要な「吹きガラス」の技術を応用して真空の二重構造をつくる魔法瓶は、大阪の職人たちとの相性がよかったのです。
象印マホービンの歴史は、大阪の小さなガラス工場から始まりました。それは、目に見えない「温度」という価値を守り抜くための、終わりのない挑戦の歴史でもあります。
食卓に一台のポットがあるだけで、家族の団欒が生まれる。コーポレートスローガンの「きょうを、だいじに。」の通り、手作業で吹き上げたガラスは、より割れにくいステンレスの中びんに進化し、世界中の家庭の「きょう」を温かく守り続けています。
大野 雄斗(おおの・ゆうと)
在阪テレビ局の報道記者
1997年、愛知県春日井市生まれ。2020年、京都大学文学部卒業。
在阪テレビ局入社後、報道記者として配属。新規ビジネスや企業調査など経済分野の取材経験がある。そのほか、大阪府警担当として、殺人事件などの凶悪事件を扱う捜査一課や、知能犯を扱う捜査二課などを取材。
その後、奈良県警担当として安倍元総理銃撃事件などを取材し、神戸支局では兵庫県および徳島県の話題を専門に取材。
現在はWEBニュースの執筆や配信を担当している。
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