「教育の学研」過去最高売上でも株価は半減、なぜ? 売上の半分を占める「介護ビジネス」の課題(1/3 ページ)
「教育の学研」というイメージが強い学研HDだが、現在は医療福祉事業が売上高の約半分を占める。5期連続増収で売上高は過去最高を更新する一方、株価はピーク時から半減。なぜ業績好調でも市場から評価されないのか。事業構造の変化と今後の課題を読み解く。
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学研HD(以下、学研)と聞くと、学習参考書や図鑑、学研教室などを思い浮かべるが多いのではないでしょうか。 同社の原点は、1946年に古岡秀人氏が「戦後の復興は、教育をおいてほかにない」との信念に基づき創立した学習研究社にあります。
その後『学習』『科学』などの出版物で広く知られる存在となり、教育・出版を軸に事業を拡大してきました。
一方で、2004年には介護事業のココファンを設立し、医療福祉分野にも進出。現在の学研は、教育だけでなく、出版、塾、医療福祉、子育て支援などを展開する企業グループへと姿を変えています。
そして現在、学研の売り上げの約半分は「医療福祉分野」が占めており、この分野の成長が同社の5期連続増収を力強く支えています。本記事では、教育と医療福祉の両輪で事業運営している学研の事業の実態をひも解くとともに、業績好調にもかかわらず株価が下落している理由、そして今後の事業展開について解説します。
5期連続増収、医療福祉が教育に並ぶ大黒柱へ
学研の直近5期の業績について表にまとめました。
売上高は5期連続で増加しており、営業利益も2023年9月期には一時減少したものの、全体として増加傾向にあります。その内訳である「教育分野」と「医療福祉分野」の推移は以下の通りです。
同社の売り上げ拡大を支えているのは、教育分野と医療福祉分野です。 学研教室や塾、出版コンテンツ、園・学校向け事業を展開しています。M&Aで市進HD(首都圏で学習塾を展開)や桐原書店などをグループ化した効果もあり、教育分野の売上高は2021年9月期の789億円から2025年9月期には約954億円まで拡大しました。
一方で、学研教室や塾は少子化の影響を受けやすく、出版事業も用紙代の高騰や返品率の悪化などにより、年度によって利益が変動しやすい面があります。
医療福祉分野においては、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や認知症グループホームの拠点拡大、高い入居率の維持により、売上高は2021年9月期の657億円から2025年9月期には950億円まで増加しています。高齢化という追い風を受ける分野であり、今後も需要が見込まれます。
ただし、施設開設や人材確保などコスト負担も重い事業であり、営業利益率は教育事業と同様、おおむね4〜5%台で推移しています。つまり学研は、教育と医療福祉の両分野で規模を拡大してきた一方、収益性の面ではまだ大きな改善余地を残していると言えます。
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