「教育の学研」過去最高売上でも株価は半減、なぜ? 売上の半分を占める「介護ビジネス」の課題(2/3 ページ)
「教育の学研」というイメージが強い学研HDだが、現在は医療福祉事業が売上高の約半分を占める。5期連続増収で売上高は過去最高を更新する一方、株価はピーク時から半減。なぜ業績好調でも市場から評価されないのか。事業構造の変化と今後の課題を読み解く。
業績は過去最高が、株価は半減 なぜ?
業績は過去最高の売り上げを更新するなど絶好調ですが、株価の推移は対照的です。 2021年2月に1935円の高値をつけたのをピークに下落トレンドに入り、2026年6月末現在の終値は997円と、半値近くまで下がっています。
特に、下落を誘発した要因として、2021年2月に同社が医療福祉事業への資金調達のために「新株の発行および自己株式の処分」を発表したことが挙げられます。
このように新株発行などによって市場から資金を調達することを「エクイティ・ファイナンス」と呼びます。一般的に1株当たりの価値が薄まるため株価下落の引き金になりやすい手法ですが、学研はなぜ、この方法を選択したのでしょうか。
背景には、医療福祉事業ならではの特性があります。高齢者住宅やグループホームの開設には多額の先行投資が必要で、収益化までに時間がかかります。銀行からの借り入れだけでまかなうと毎月の返済負担が重くなるため、返済義務のない資金を市場から調達し、「成長投資と財務の安定」を両立させる狙いがありました。実際に調達された約93億円の大半は、医療福祉分野の拠点拡大などに投じられています。
しかし、この「企業を育てるための合理的な決断」は、既存株主にとっては歓迎できない側面がありました。新しく株が発行されて市場に出回る株式数が増えると、1株当たりの利益や価値が薄まってしまうからです。
「会社にとって必要な投資であっても、自分の持つ株の価値が下がるのは避けたい」という投資家の反応が、株価を押し下げる要因となりました。結果として、この増資以降、学研のPBR(株価純資産倍率)は目安とされる1倍を割り込んだまま推移しています。
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