小学生が10分のレクチャーで溶接作業 97年続く町工場が導入した「溶接ロボット」の実力(1/4 ページ)
小学生が10分のレクチャーで遠隔での溶接作業を完了させた。そんなロボットを、97年続く老舗町工場が国内で初めて導入した。熟練工不足に悩む中小製造業で、採用や技術継承の常識を変える挑戦を追った。
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溶接未経験の小学生が、わずか10分のレクチャーを受けただけで溶接作業を完了させた。熟練技能が必要だった溶接を、経験のない人でも担える――そんな仕組みが製造業の現場で実用化され始めている。
1970年代から産業用ロボット事業を手掛けている高丸工業(兵庫県西宮市、高ははしごだか)は、2024年に遠隔操作溶接ロボット「WELDEMOTO(以下、ウェルデモート)」を開発した。
作業者が、複数台のカメラで溶接箇所をさまざまな角度から確認しながら、PC上で溶接範囲の起点と終点を指定すると、ロボットが自動で溶接を行う。インターネット環境があれば、離れた場所からでも作業できる。
2025年の大阪・関西万博にブース出展した際、溶接経験のない小学生や50代女性が実際にウェルデモートを操作し、遠隔で溶接作業を完了させた。専門技能が必要とされてきた溶接のあり方を変える可能性を示した。
そして2026年7月、このウェルデモートが宝角(ほうずみ)合金製作所(兵庫県姫路市)に導入された。同社は1929年創業の老舗企業で、銅合金の鋳造から機械加工まで手掛けている。
導入のきっかけは、同社で長年にわたり溶接工程を1人で担ってきた専任担当者の退職だった。同社では顧客ごとに仕様が異なる多品種少量生産の部品を数多く手掛けており、溶接条件も案件ごとに異なる。そのため技術の習得に時間がかかり、一時は外注に頼らざるを得ない状況だった。
こうした「技術者不足」と「技術伝承」は、多くの中小企業が抱える共通課題だ。
高丸工業はなぜ、遠隔溶接という技術にたどり着いたのか。また、宝角合金製作所がロボット導入に至った背景とその経緯について、高丸工業の専務取締役 高丸泰幸氏(高ははしごだか)、宝角合金製作所の寶角(ほうずみ)勝利社長と同社取締役 寶角拓哉氏に話を聞いた。
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