評価額160兆円の「怪物」OpenAI、6.2兆円赤字の深層 国家予算超え企業はどこへ向かうのか(2/4 ページ)
生成AIの雄・OpenAIが評価額160兆円でのIPOを視野に入れる。国家予算をも凌駕する怪物企業となった同社だが、足元では年間6.2兆円に達する巨額の赤字構造を抱える。急成長の舞台裏と覇権争いの行方を追う。
「資金集めの天才」サム・アルトマンの手腕とビジョン
この規格外の企業を率いるCEO、サム・アルトマンは、純粋なAI科学者やエンジニアではない。彼は「世界を変える技術」を見抜く目利きであり、巨額の資金をかき集める資金調達のスペシャリストだ。スタンフォード大学を中退して投資会社を立ち上げ、AirbnbやDropboxといった現在の主要IT企業を見出して投資してきた実績を持つ。
一方で、彼には別の顔もある。同性のパートナーと結婚し、代理母出産によって子供をもうけた父親としての顔だ。アルトマンは「金権の亡者」と批判されることもあるが、その根底には「子供の未来のために、AIを使って世界をより良いものにしたい」という強い理念があるという。
イーロン・マスクとの対立とクーデター騒動
現在のOpenAIの構造を理解するには、その歴史を知る必要がある。同社は2015年、Googleのような巨大IT企業によるAI独占を防ぐため「AIに関する研究をすべてオープンにする非営利団体」として設立された。初期メンバー11人の中には、イーロン・マスクも名を連ねていた。
しかし、データセンターにかかるコストなど、AI開発には天文学的な費用がかかる。そのため、2019年に非営利法人の傘下に「利益上限を定めた限定的な営利企業」を設立するハイブリッド構造へと移行した。この方針転換に対し「約束と違う」と激怒したイーロン・マスクとは、訴訟問題にまで発展している。
さらに、組織の歪みは内部でも問題を起こしている。2023年、利益追求に走りすぎていると危惧した非営利側の経営陣が、アルトマンを解雇するクーデターを起こした。しかし、社員の9割が「彼がいないなら辞める」と抗議し、わずか5日で経営陣が謝罪してアルトマンが復帰するという結末を迎えた。これは彼のカリスマ性と、異能の集団を率いるリーダーとしての高い求心力を如実に示している。
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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
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