「ジャムは瓶」の常識を変えた アヲハタ「ボトル型」が3年で3倍売れた理由(2/4 ページ)
「ジャムは瓶」という常識を覆したアヲハタのボトルタイプ「スプーンフリー」が好調だ。発売から3年で出荷額は約3倍に成長。若い世代や子育て世帯を取り込み、市場縮小が続くジャム業界で新たな需要を生み出した背景を探った。
瓶の代わりを数年かけて探した
発売の数年前から構想が動き出し、アヲハタとしては異例の長い開発期間を要した。それほど容器を変えるのは簡単ではなかった。紙やチューブなど複数の案を検討した末、風味を保てるプラスチックボトルに落ち着いた。
当初、社内には慎重論もあったという。「ジャムといえば瓶」という思いは社員たちの中でも強く、瓶ではない商品が受け入れられるのか、という懸念の声もあった。その中で開発を後押ししたのは、定期調査で見えた「瓶が使いづらい」という声だった。
「ジャムは食べたいが瓶が面倒、というニーズが見えていた。その悩みを解決してこそジャムメーカーだと社内で議論を重ねた」とマーケティング本部の松本翔吾氏は振り返る。
開発にあたり、中身も作り替える必要があった。瓶入りのジャムは、ごろっとした大きな果肉が特徴だが、出し口の狭いボトルでは果肉が大きいと詰まってしまう。小さくしすぎるとソースのようになり、果肉感が薄れる。ミリ単位の調整を重ね、使いやすさとアヲハタらしい果肉感の両立を目指した。
「さよならスプーン。」というコピーを採用し、その特徴や価値を商品名にも込めた。フレーバー展開にも狙いがあり、いちご、オレンジ、ブルーベリーの3種類からスタートした後は、パン以外の用途を広げる「トロピカル」、子ども向けの「りんご」「ぶどう」など、狙いを明確にしてラインアップを拡充してきた。最も人気が高いのは、瓶入りの商品と同じく、「いちご」だという。
果肉を大きくできない一方で、味が全体に広がりやすいのがボトルタイプの強みだ。パンだけでなく、ヨーグルトにも混ぜやすい点が評価された。
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