「ジャムは瓶」の常識を変えた アヲハタ「ボトル型」が3年で3倍売れた理由(4/4 ページ)
「ジャムは瓶」という常識を覆したアヲハタのボトルタイプ「スプーンフリー」が好調だ。発売から3年で出荷額は約3倍に成長。若い世代や子育て世帯を取り込み、市場縮小が続くジャム業界で新たな需要を生み出した背景を探った。
好調でも、認知は「3合目」
スプーンフリーが支持を集めた理由は、使い勝手の良さにある。スプーン不要で洗い物が減り、垂れにくい。握力が弱くなり、瓶の蓋(ふた)を開けるのに苦労していた高齢者からも、片手で簡単に開け閉めでき、扱いやすいと支持されている。
一方で、店頭での認知には課題を残す。市場では「ジャムは瓶」というイメージがいまだに根強く、店頭で商品を見た人が「これは何だろう」と戸惑い、手に取ってもらえないことがある。使い切りにくさや、残量の分かりにくさを指摘する声もある。
アヲハタの主力商品である「55シリーズ」や「まるごと果実」と比べると、スプーンフリーの認知率はまだ低く、目標までの到達度は「3合目」だという。第3の柱と呼ぶには、まだ時間がかかりそうだ。
それでも、容器を変えるというアプローチは、市場にも影響を与えている。他のメーカーもボトルタイプを投入し、縮小が続く市場で新たな客との接点が生まれている。
松本氏が思い描く理想は、「平日の忙しい日はボトル、休日など時間に余裕があるとき、瓶で楽しんでもらう」という瓶とボトルの使い分けだ。縮小する市場で、ボトルタイプがどこまで市場の裾野を広げられるか。
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