キオクシア、1カ月で株価が3分の1に下落 世界的な半導体売り、今日の決算はどうなる?(4/4 ページ)
これが「AIバブル崩壊の始まり」と一言で片づけるのは早計だ。今回の値動きは、キオクシア固有の悪材料、世界的なメモリ株売り、そして需給要因という3つの力が重なって効いてきたことにある。
バブル崩壊か、健全な調整か
AIバブル崩壊論の根拠は明快だ。キオクシア株は2026年の大発会(1月5日)の始値1万1350円から6月22日の11万2700円まで、半年足らずで約9.9倍に化けた。この熱狂がバブルなのではないか、ということである。
一方で、実需は消えていない。AIデータセンター向けの広帯域メモリやキオクシアの手がけるNANDの需要は現実にあり、各社の利益は過去最高水準を更新し続けている。
これは、売り上げも市場も存在しないところに投機マネーが集まって株価だけが膨らんだITバブルとは、根本的に異なる状況であると指摘したい。
したがって今回は「バブル崩壊」というより「業績期待の切り下げ」の範囲にとどまる、という解釈の方が説得力があるのではないか。
実は、メモリ業界はAI相場に限らず、供給不足に伴う価格高騰から増産、供給過剰、価格崩壊というサイクルをたびたび繰り返してきた。TSMCの設備投資46%増も、中国メモリ勢の台頭も、CXMTの上場も、DUV露光装置の国産化も、全ては「供給過剰の到来を早める」イベントとして認識されていると考えられる。
分岐点はメモリ価格の反転時期だ。市況が高値を保てば、株価はやがて業績に追いつく。増産競争で価格が崩れれば、業績成長の見込み自体が崩れる。
注目は本日の決算
その最初の答え合わせが、本日7月31日に訪れる。キオクシアは今日、2027年3月期第1四半期の決算を発表する予定だ。
会社予想は売上収益1兆7500億円、営業利益1兆2980億円。営業利益率74%という、NAND産業の歴史でも異例の水準だ。
しかし、本日の焦点は着地した利益の絶対額ではない。メモリ価格の先行きについて経営陣が何を語るか、供給能力の拡張計画をどう示すか、そして中国勢の台頭をどう評価しているかにかかっている。
ダイハツ、旭化成、NOT A HOTELなど登壇:
無料セミナー「ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏」開催!
ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏では、各分野の第一人者や企業の現場でビジネス変革に取り組むリーダーの声を通じて、経営×IT×現場のコラボレーションで全社変革を進めるヒントをお届けします。
AIを活用したデジタル戦略が必須となる中、ダイハツ工業や旭化成、NOT A HOTELなどビジネス変革に取り組む企業の「当事者の声」を通じて、現場のリアルな課題解決方法を探ります。視聴登録はこちらから。
- 開催日:7月8日(水)〜8月5日(水)
- 形式:オンラインセミナー
- 参加費:無料
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
書類でよく見る「シヤチハタ不可」、シヤチハタ社長に「実際どう思ってますか?」と聞いたら意外すぎる答えが返ってきた
ハンコで国内トップメーカーのシヤチハタが、2025年に創業100周年を迎える。気になっていた質問をぶつけてみた。インタビュー後編。
「あの時気付いていれば……」 モンスター社員を面接で見抜く、たった一つの重要質問
彼らは「嘘をついている」わけではない。ゆがんだレンズを通して世界を見ているため、彼らにとって「正しいこと=周囲が悪であること」という構図は、疑いようのない真実として映っているのだ。
ニトリHDの時価総額半減……「36期成長神話」が崩壊した、これだけの理由
36期連続成長を成し遂げたニトリが、苦境に陥っている。その原因は、似鳥会長の相場観にあるのかもしれない……。
サンリオ株価、まさかの「ほぼ半値」に……なぜ? ジャパンIPに降りかかった災難の正体
今もなお業績を伸ばしているはずのサンリオ株が、前年の最高値から半値近い水準まで売り込まれている。これはなぜだろうか。決算資料や各地の市場動向を詳細に読み解けば、株式市場の評価とは乖離した実態が浮き彫りになる。
