紀伊國屋書店はなぜ「本が売れない時代」に独り勝ちできたのか? 5期連続増収増益を支える戦略:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/6 ページ)
書店の閉店が相次いでいる中、唯一好調を維持しているのが紀伊國屋書店だ。その理由は、一体何なのか?
紀伊國屋書店は、どれほど規模を拡大しているのか?
紀伊國屋書店グループの店舗数は、2026年7月末時点で103店舗となった。傘下の企業別に見ると、紀伊國屋書店が72店舗、旭屋書店が11店舗、紀伊國屋書籍販売が20店舗となっている。国内では、2024年11月にOtemachi One店(東京都千代田区)を、2025年6月にはイオンモール川口前川店(埼玉県川口市)を、2026年6月に、イトーヨーカドー立場店(横浜市)を新規開店した。
また、紀伊國屋書店は前期中に2件のM&Aを成立させており、1年間で傘下の店舗を約30店舗も増やしている。
1件目のM&Aは2024年12月、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下、CCC)から「旭屋書店」と「東京旭屋書店」の全株式を取得し、完全子会社化した。旭屋書店は1946年創業で、大阪・梅田では長らく紀伊國屋書店のライバルとして存在感を示してきた人気書店だ。1965年創業の東京旭屋書店と合わせて関西と関東に11店舗を展開していたが、M&A後に両社は旭屋書店に統合された。東武百貨店内の池袋店が2026年3月14日に、ららぽーと甲子園店が同年8月7日、「紀伊國屋書店」に屋号変更した。それ以外の店舗では「旭屋書店」の屋号をそのまま使っている。
もう1件のM&Aは2025年6月に行われており、京王電鉄の子会社であった「京王書籍販売」の全株式を取得し、完全子会社化した。京王書籍販売は「啓文堂書店」として、京王線沿線を中心に20店舗を展開してきた企業だ。M&A後は社名を「紀伊國屋書籍販売」に変更し、屋号も「紀伊國屋書店」へ変えた。
このように全国で書店が減少する中、紀伊國屋書店はM&Aと新規出店の両軸で、積極的に店舗網を拡大しているのである。
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