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なぜ「一度消えた」オニツカタイガーは復活したのか 世界的ブランドへと成長した背景長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/5 ページ)

アシックスのブランド「オニツカタイガー」が絶好調だ。2027年には分社化を控えるブランドのこれまでと、新たにオープンした旗艦店についてまとめていく。

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業績は絶好調、2027年には分社化も

 新たにオープンしたオニツカタイガー新宿では、3階がブランドの歴史を表現するコーナーになっており、MEXICO 66が壁一面を埋め尽くす展示が見られる。派生モデルのゴルフシューズ、ドライビングシューズなど、多彩な商品展開が視覚的に分かるようになっている。

 さて、オニツカタイガーは2009年からトータルなファッションブランドとしての確立を目指して、「ドレスキャンプ」などを手掛けてきた岩谷俊和氏がデザインディレクターに就任。 岩谷氏がファンだった人気プロレスアニメキャラクター「タイガーマスク」をモチーフにした、遊び心たっぷりの商品群を提案して話題をさらったこともあった。タイガーマスクをプリントしたパーカー、Tシャツ、バッグ、靴下、レスリングシューズ、スリッポンなどを展開した。

 岩谷氏の開拓した総合ファッションへのアプローチを土台に、発展させているのが、クリエイティブディレクターであるイタリア人のアンドレア・ポンピリオ氏だ。ポンピリオ氏は、イヴ・サンローラン、プラダといった、世界的なメゾンで実績を積み重ねてきた。 彼の参入によりオニツカタイガーは、レトロスニーカーのブランドというより、ミラノコレクションでも注目される存在となった。高感度なコンテンポラリーファッションブランドに変貌を遂げたわけだ。

 新店舗の1階では、そうしたオニツカタイガーの「今」を展示している。例えば、世界的に人気が高い「NIPPON MADE」シリーズのさらなる強化のため、2026年1月1日には鳥取県境港市にブランド初の専用生産拠点「オニツカイノベーティブファクトリー」を開設した。

 元は1969年に設立した山陰アシックスで、同施設では素材開発からデザイン、生産までを一貫して行う体制を整える。併設のギャラリーでは、同施設のものづくりなどを紹介するコンテンツを展示。 鳥取県では初のストア、オニツカギャラリーストアも併設している。

 そうした経緯もあり、店舗の2階で日本製の商品を専門に扱っている。 丁寧な接客により、満足行くまでフィッティングができる体制を目指している。

  アシックスの2025年12月期決算は、売上高が約8109億円(前年同期比19.5%増)、営業利益が約1425億円(同42.4%増)と極めて好調だ。 中でもオニツカタイガーカテゴリーは、売上高が約1365億円(同43.0%増)、カテゴリー利益約514億円(同58.7%増)と、高収益であり、成長率が最も高く、アシックスをけん引する存在に成長した。店舗数は全世界で約190店。2026年8月には、名古屋駅前に国内2位の規模を持つ新店をオープンする。

 2027年1月1日からはアシックスの100%子会社、OT GROUPとして分社化される予定となっている。スポーツブランドであるアシックスとは一線を画し、ファッションブランドとしてのポジションをより追求していく方針だ。

著者プロフィール

長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)

兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。著書に『なぜ駅弁がスーパーで売れるのか?』(交通新聞社新書)など。


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