2015年7月27日以前の記事
検索
ニュース

マツダ、業績がV字回復 関税「300億円の逆風」でも勝ち取った黒字転換の裏側

マツダの2026年4〜6月の売上高は1兆2857億円(前年同期比17%増)となり、第1四半期として過去最高を更新した。前年度は必要に駆られた「守りのフェーズ」だったが、今年度は「攻めのフェーズ」に転じていく──ガイトン副社長はそう語った。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-

 前年度は必要に駆られた「守りのフェーズ」だったが、今年度は「攻めのフェーズ」に転じていく──マツダが8月4日に開催した、2027年3月期第1四半期の決算説明会で、ジェフリー・エイチ・ガイトン氏(代表取締役副社長兼経営役員CFO)はそう語った。

 2026年4〜6月の売上高は1兆2857億円(前年同期比17%増)となり、第1四半期として過去最高を更新した。営業利益は328億円(前年同期は461億円の赤字)で、当期純利益は296億円(同421億円の赤字)と大幅な黒字転換を遂げた。

 第1四半期における米国での関税負担が約300億円という逆風の中、黒字転換をもたらした要因としてガイトン副社長は「新型CX-5がけん引するグローバルでの出荷台数増加」「円安基調」「コスト削減」などを挙げた。

mazda
マツダ ジェフリー・エイチ・ガイトン代表取締役副社長兼経営役員CFO(オンライン説明会よりキャプチャ)

 2027年3月期の見通しは、5月に公表した売上高5兆5000億円、営業利益1500億円、当期純利益900億円を据え置いた。「原第1四半期での十分な黒字確保により、計画の達成に向けて順調な進捗を見せている」(ガイトン副社長)

 同日の決算説明会では、同社の経営陣が「新型CX-5のグローバル市場での動き」「中東情勢による影響」「レアアースの供給不足や半導体コストへの懸念」「令和8年熊本地震の影響」などについて語った。その内容を一問一答形式で紹介する。

「新型CX-5」国内外でロケットスタート

──全面改良した新型「MAZDA CX-5」が、グローバルでの出荷台数増加をけん引している。各市場での現状は?

ガイトン副社長 第1四半期に日本、北米、欧州といった主要市場へ順次投入したところ、当社の想定を大きく上回る順調な滑り出しを見せている。

 事前注文後に納入を待つ購買形態が一般的な日本と欧州では、当初の計画を上回るペースで受注が推移している。日本国内では発売翌月となる6月末時点で1万台超、欧州では2万台超の受注を獲得した。店頭在庫から選ぶスタイルが主流の米国市場でも、6〜7月の個人向け販売は前年同期比を約10%上回り、好調に推移している。

 第2四半期以降は、オーストラリアを含むその他市場にも順次投入し、さらなる販売台数の拡大をけん引していく計画だ。

mazda
日本仕様の新型「MAZDA CX-5」(プレスリリースより引用)

変動費・固定費 合計「2000億円削減」への道筋

──マツダは構造改革のフェーズ2において、変動費と固定費をそれぞれ1000億円(計2000億円)削減するという目標を掲げている。進捗状況はどうなっているのか。

藤本哲也氏(経営役員CTAO) 変動費は目標1000億円に対し、2025年度(計画1年目)に150億円の削減を達成。第1四半期では、さらに110億円の削減を達成した。今期末までにさらに600億円以上の削減を計画しており、2026年度(計画2年目)終了時点で累計1000億円の目標を完全に達成する予定だ。

 固定費は2025年度に400億円以上の削減を達成し、第1四半期も削減を継続している。ただ、世界的なインフレ傾向は今後も続くと予想されており、この「1000億円固定費削減」は非常にチャレンジングな目標であると認識している。

mazda
マツダ 経営役員CTAO 藤本哲也氏(オンライン説明会よりキャプチャ)

中東情勢による影響 今後の見通しは?

──中東情勢による具体的な影響と、第2四半期以降の中東向けの生産計画の見通しは?

ガイトン副社長 第1四半期における、中東向けの出荷待ち在庫は4000〜8000台規模に上った。7月中にはその在庫のほとんどを出荷できた。

 現時点では中東向けの車両生産は一時的に停止している。マツダにとって中東は重要な市場だが、事業全体における規模自体はそれほど大きくない。仮に今後も出荷が困難になる事態が生じたとしても、その分の台数は北米や欧州など他市場へ振り替えることで十分にカバー可能であると考えている。

中国からのレアアース輸入制限 生産停止などのリスクは?

──中国からのレアアース輸入制限などを受け、今後レアアースの供給不足により生産が一時停止するようなリスクはどの程度想定しているのか。

ガイトン副社長 レアアースをはじめとする材料の調達状況については、サプライヤー各社と継続的かつ緊密に協力し、入手の可能性や供給継続性について把握に努めている。

 短期的な供給においては、当社およびサプライヤー各社ともに十分な在庫を確保できている。これまでのところ生産活動に直接的な影響は一切受けていない。中長期的な代替調達策などの対応策についても着実に進めていく。

──メモリ半導体を中心とするコスト高騰が業績の下押し要因になるとの見通しを発表するメーカーもある。マツダにおける半導体コストの上昇懸念と、業績への影響は?

ガイトン副社長 半導体コストに関するリスクについても、現時点で想定し得るリスクは、全て5月公表の通期見通しに織り込み済みだ。足元で業績予想を修正せざるを得ないような、新たな調達課題やコスト突発要因は発生していないと認識している。ただ、環境変化は激しいため、継続して注視していく。

令和8年熊本地震による生産・店舗への打撃

──7月28日に発生した「令和8年熊本地震」による、生産体制などへの影響は?

ガイトン副社長 取引先への被害状況を調査・評価している段階だが、現在集まっている情報から判断する限り、生産・製造活動は継続できると考えている。被災地域には当社の販売店舗が8店舗ある。そのうち4店舗で建物や設備に若干の被害を受けたが、全店舗で営業を継続している。

 被災者向けの補修用部品を迅速に供給するために全力を挙げているほか、被災地への輸送サービスの提供などの支援活動を開始している。現時点において、今回の地震が全社的な通期収益や出荷台数に与える影響は、極めて限定的と判断している。

ダイハツ、旭化成、NOT A HOTELなど登壇:
無料セミナー「ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏」開催!

photo

ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 夏では、各分野の第一人者や企業の現場でビジネス変革に取り組むリーダーの声を通じて、経営×IT×現場のコラボレーションで全社変革を進めるヒントをお届けします。

AIを活用したデジタル戦略が必須となる中、ダイハツ工業や旭化成、NOT A HOTELなどビジネス変革に取り組む企業の「当事者の声」を通じて、現場のリアルな課題解決方法を探ります。視聴登録はこちらから。


  • 開催日:7月8日(水)〜8月5日(水)
  • 形式:オンラインセミナー
  • 参加費:無料

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る