「君の夏休みはこの日から」 夏季休暇を会社が決める、これって法律違反では?:社労士Q&A
当社は7〜9月の間であれば、3日間の夏季休暇を自由に取得できます。にもかかわらず、上長から「〇〇さんの夏休みはいつからいつまでね」と勝手に決められてしまいます。業務内容や繁忙期を考慮しているとのことですが、納得できません。会社が「7〜9月の間であれば自由に取得できる」と決めているにもかかわらず、部署の都合や上司の判断で夏休みを勝手に決めるのは法律に違反しないのでしょうか?
社労士Q&A
従業員の皆さんが「あれ?」と思っている社内規程や人事制度。人事や総務など管理部門の皆さんが「こんなときどうすれば……」と迷っている制度設計や問い合わせ対応。そうした疑問を、社会保険労務士の佐藤敦規先生に聞いてみました。
回答者プロフィール
佐藤敦規(さとう あつのり)
社会保険労務士。中央大学文学部卒。50歳目前で社会保険労務士試験に挑戦し合格。三井住友海上あいおい生命保険を経て、現在では社会保険労務士として活動。法人企業の助成金の申請代行や賃金制度の作成に携わっている。 社会保険労務士としての活動以外にも、セミナー活動や、「週刊現代」「マネー現代」「プレジデント」などの週刊誌やウェブメディアの記事を執筆。 著書に、『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)、『リスクゼロでかしこく得する 地味なお金の増やし方』『おじさんは、地味な資格で稼いでく。』(以上、クロスメディア・パブリッシング)などがある。
Q: 当社は7〜9月の間であれば、3日間の夏季休暇を自由に取得できます。にもかかわらず、上長から「〇〇さんの夏休みはいつからいつまでね」と勝手に決められてしまいます。業務内容や繁忙期を考慮しているとのことですが、納得できません。会社が「7〜9月の間であれば自由に取得できる」と決めているにもかかわらず、部署の都合や上司の判断で夏休みを勝手に決めるのは法律に違反しないのでしょうか?
「夏季休暇」は会社がどこまで口出しできる?
A: まず確認したいのは、その夏季休暇が有給休暇とは別に付与されているかどうかです。
夏季休暇が有給休暇とは別に付与されている場合、日程の決め方は基本的に会社に委ねられています。労働基準法には「夏季休暇を与えなければならない」というルールがありません。つまり夏季休暇は、会社が任意で設けている休暇ということになります。
「7〜9月の間で自由に」という運用を決めたのが会社であれば、業務内容や繁忙期を踏まえて上長が日程を調整することも、その運用の範囲内と考えられます。納得しにくい部分はあるかと思いますが、それだけをもって法律違反とまではいえないでしょう。
ちなみに、お盆の時期に会社全体が休むという慣習は、日本企業に多いものです。工場や店舗などを一斉に休みにする形が根付いている業種もあります。
一方、外資系企業では夏季休暇そのものがない会社も少なくありません。その代わり有給休暇をほぼ100%消化し、各自が休みたい時期に休むというスタイルが一般的です。
夏季休暇があること自体は、法律上の権利ではなく会社ごとの制度である。この前提を押さえておくと、話が整理しやすくなります。
ややこしいのは、夏季休暇が別に用意されておらず、有給休暇を夏季休暇に充てている場合です。有給休暇は、本人が自由に使えることが原則であり、会社が一方的に日程を指定することには問題が生じます。
ただし、付与されている有給休暇のうち5日については、会社が取得する時期を指定できます。逆にいえば、それを超える部分まで会社が決めてしまうと、法律違反になる可能性があります。
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