2015年7月27日以前の記事
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「失敗する」と分かっていても、なぜ人は止まれないのか 東芝と消費減税に見る“組織の病理”スピン経済の歩き方(6/8 ページ)

失敗は目に見えていたが、社長や会長などの決定権を持つ人が実行。結果的に大きな失敗につながった、なんてことはないだろうか。現在進められている「消費税減税」にも、同じ問題が当てはまると考えられる。なぜそう思うかというと……。

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消費減税は典型的な「コンコルド効果」

 以前から繰り返し述べているように「日本に借金があるのはザイム真理教のうそ」とか、「日本の国債は国民が持っているから、どれだけ国債を発行してもデフォルトしない」というロジックは、残念ながら日本国内の一部のイデオロギーを持つ人たちにしか支持されていない。

 MMT(現代貨幣理論)については、高市首相の後見人的存在である麻生太郎副総裁も財務相在任時に「そういうものの実験場に日本のマーケットを実験場にするつもりはない」と否定的な見解を示している。

 国内の一部で支持されている主張を掲げて、国際社会を従わせようと突っぱねるのは、多くの日本人が「あの国は問題がある」と蔑んでいるロシアや中国と何も変わらないではないか。

 日本国内でザイム真理教がどうこういくら主張したところで、市場から評価される以上、財源が示せないまま消費減税に踏み切れば再び円安は進んでしまう。つまり、外食店がテークアウトに切り替えて「消費税1%」の恩恵を受けられても、円安が進んで料理に使う原材料や燃料が高騰すれば、イートインとの税率差9%など、容易に相殺される可能性があるのだ。


円安が加速(出典:ゲッティイメージズ)

 加えて、2年後には「消費増税」が確実にある。物価が今よりも上がっているところでの増税なので、国民の負担感は非常に大きくなる。「じゃあ、見送ればいいじゃん」と思うだろうが、「時限的な物価高対策」を理由に首相が減税して、それをなし崩し的に撤回するような国の通貨はさらに信用を落とすことは言うまでもない。

 このように状況を冷静かつ客観的に分析すれば、「飲食料品の消費減税」が必ずしも国民の利益につながるとは限らないことが分かる。しかし、高市首相はこうした指摘に耳を貸さず、消費減税の実現に向けて政策を進めている。

 これを掲げたことで衆院選での「高市フィーバー」が起きたことや、派閥を持たない高市首相を力強く支持してくれた「積極財政派」の人々の貢献を考えれば、容易に撤回することなどできるわけがないからだ。つまり、今日本政府が推し進めようとしている消費減税というのは、「コンコルド効果」に似た構造といえる。

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