仕事中の熱中症は全て「労災」になる? オフィス勤務中、通勤中などケースごとに解説:社労士Q&A
最近の酷暑で、野外現場や外回りなど屋外で働く人だけでなく、室内で働く人にも熱中症のリスクが高まっています。仕事中の熱中症は、全て労災になるのでしょうか? オフィス内で働いていた場合、通勤途中といったケースごとに教えてください。
社労士Q&A
従業員の皆さんが「あれ?」と思っている社内規定や人事制度。人事や総務など管理部門の皆さんが「こんなときどうすれば……」と迷っている制度設計や問い合わせ対応。そうした疑問を、社会保険労務士の佐藤敦規先生に聞いてみました。
回答者プロフィール
佐藤敦規(さとう あつのり)
社会保険労務士。中央大学文学部卒。50歳目前で社会保険労務士試験に挑戦し合格。三井住友海上あいおい生命保険を経て、現在では社会保険労務士として活動。法人企業の助成金の申請代行や賃金制度の作成に携わっている。 社会保険労務士としての活動以外にも、セミナー活動や、「週刊現代」「マネー現代」「プレジデント」などの週刊誌やウェブメディアの記事を執筆。 著書に、『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)、『リスクゼロでかしこく得する 地味なお金の増やし方』『おじさんは、地味な資格で稼いでく。』(以上、クロスメディア・パブリッシング)などがある。
Q: 最近の酷暑で、野外現場や外回りなど屋外で働く人だけでなく、室内で働く人にも熱中症のリスクが高まっています。仕事中の熱中症は、全て労災になるのでしょうか? オフィス内で働いていた場合、通勤途中といったケースごとに教えてください。
仕事中の熱中症は、全て労災になる? 意外な落とし穴
A: 業務中の熱中症は、室内・室外を問わず労災の対象になり得ます。
ただし、実際に労災と認められるかどうかを判断するのは労働基準監督署です。屋外での作業中に発症したケースは比較的認められやすい一方、室内での発症は判断が分かれます。室温がそれほど高くない環境で発症した場合「ほかに要因があったのではないか」とみなされることもあるでしょう。
なお、熱中症の労災認定について「何度以上」といった温度の基準が定められているわけではありません。屋内で発生した場合は、室温が一つの目安として問われることはありますが、気温そのものが直接の判断材料になるわけではない、という整理になります。
通勤中の熱中症についても、原則として認められます。ただし注意したいのが、帰宅時の寄り道です。スーパーや薬局に立ち寄るなど、通勤経路から外れた時点で、原則として通勤とは扱われなくなります。真っすぐ帰宅している途中であれば対象になる、という線引きです。
その上で押さえておきたいのが、労災は「具合が悪くなればすぐに認められる」というものではない、という点です。特に仕事を休んだ分の補償を受けるには、一定期間の就業不能といった要件があります。例えば「外回りから戻って気分が悪くなり、救護室で休んで回復した」というケースは、労災として扱われないことがほとんどでしょう。
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