夏休み明けから「無断欠勤」を続ける社員 会社はどう対応すべき?
夏季休暇を取得した従業員が、休みが終わっても無断欠勤をしています。こちらからの連絡に対し、当初は「明日には出社します」と答えていたのですが、ある時から連絡が途絶えました。こうした無断欠勤に対し、企業側はどういった対応を取るべきなのでしょうか。一連の流れを教えてください。
社労士Q&A
従業員の皆さんが「あれ?」と思っている社内規定や人事制度。人事や総務など管理部門の皆さんが「こんなときどうすれば……」と迷っている制度設計や問い合わせ対応。そうした疑問を、社会保険労務士の佐藤敦規先生に聞いてみました。
回答者プロフィール
佐藤敦規(さとう あつのり)
社会保険労務士。中央大学文学部卒。50歳目前で社会保険労務士試験に挑戦し合格。三井住友海上あいおい生命保険を経て、現在では社会保険労務士として活動。法人企業の助成金の申請代行や賃金制度の作成に携わっている。 社会保険労務士としての活動以外にも、セミナー活動や、「週刊現代」「マネー現代」「プレジデント」などの週刊誌やウェブメディアの記事を執筆。 著書に、『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)、『リスクゼロでかしこく得する 地味なお金の増やし方』『おじさんは、地味な資格で稼いでく。』(以上、クロスメディア・パブリッシング)などがある。
Q: 夏季休暇を取得した従業員が、休みが終わっても無断欠勤をしています。こちらからの連絡に対し、当初は「明日には出社します」と答えていたのですが、ある時から連絡が途絶えました。こうした無断欠勤に対し、企業側はどういった対応を取るべきなのでしょうか。一連の流れを教えてください。
無断欠勤の対応 2〜3日後、2週間後など時系列で整理
A: 連絡が取れない無断欠勤には、大きく2つの可能性があります。一つは、事故など不慮の出来事に巻き込まれて連絡ができない状態。もう一つは、メンタルの不調などによって連絡を返せない状態です。どちらの可能性も考慮した上で動く必要があります。
最初に取るべき対応は、本人への連絡です。無断欠勤だからといって会社から何もしない、ということはありません。電話やメールで「どうしましたか」と連絡を入れること自体に問題はないため、まずは状況を確認します。いつ、どの方法で連絡したかも残しておきましょう。
返答がない場合は、本人以外の連絡先をあたります。あらかじめ届け出てもらっている緊急連絡先や、家族への連絡です。事故に巻き込まれているのであれば、本人にいくら電話やメールをしても届きません。代わりに連絡が取れる相手を速やかに探すことが必要です。
それでも状況が分からなければ、自宅を訪ねるという選択肢もあります。緊急連絡先に確認しても分からない場合、事故なのか体調不良なのかを判断する材料がないためです。体調不良で自宅で倒れている可能性も考えられます。無断欠勤が2〜3日と続いた段階で自宅を訪ねる分には、問題はないでしょう。
メンタルの不調などで本人が連絡を返していないと判断される場合は、就業規則に沿った対応に移ります。多くの会社では就業規則に「無断欠勤が2週間続いた場合は懲戒解雇もやむを得ない」といった規定を設けています。連絡がつかない状態が続くのであれば、この規定に沿って手続きを進めることになります。
ここで大切なのは、2週間が経過するまで会社が動かずに待つ、という意味ではないことです。返答があるかどうかにかかわらず、会社としての状況や今後の対応を本人に知らせ続けておく。この積み重ねが、後の手続きを進める上での根拠になります。
就業規則の規定に沿って進めるのであれば、会社の対応が直ちに問題になることはないでしょう。ただ、実際に解雇まで進む場合は、連絡や通知をどう重ねてきたかという経緯が意味を持ちます。解雇する前に退職届の出すように促すことをお勧めします。従業員から退職届を取得すれば、後で「不当解雇だ」として訴えられるリスクが減るからです。返信がなければ解雇に進みますが、その際も解雇通知書を送る必要があります。
いずれにせよ、記録を残した上で、個別の状況を踏まえて判断してください。なお、本人の署名が取れない場合の取り扱いも用意されているため、離職票が作成できなくなるわけではありません。
無断欠勤への対応は、事故の可能性を疑いながら本人と周囲に連絡を尽くし、その記録を残していく作業でもあります。就業規則に規定を整えておくことと、緊急連絡先を最新の状態に保っておくこと。この2つが、いざというときに会社を助ける備えになります。
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