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グループ会社からの経理独立、業務基盤を一から構築 名古屋大発スタートアップが持続可能な経理体制を構築した方法とは

グループ内で処理していた経理業務を自社で担うことになった名古屋大学発のスタートアップ、マップフォー。同社の経理基盤構築を支え、変化が激しいスタートアップ経理の安定運用実現に貢献したのがメリービズの「バーチャル経理アシスタント」だ。両社が協力して作り上げた持続可能な経理体制の全貌に迫る。

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 名古屋大学発のスタートアップ、マップフォー。2016年に創業した同社の事業は、自動運転技術に使用する高精度3D地図を作成するシステムやソフトウェアの開発から始まった。近年は空間知能技術をインフラ点検などの領域に活用するなど、コア技術の応用によってビジネス領域を広げている。


マップフォーの巽祥太郎氏(取締役CAO コーポレートデザイン部長)

 そんな同社がバックオフィス組織、特に経理基盤の大きな転換期を迎えたのは2024年のこと。同社でバックオフィス領域を統括する巽祥太郎氏は、当時の状況をこう語る。

 「2024年7月に私が入社する少し前に、それまでグループ内で処理していた経理業務を自社で担うことになりました。当社には経理組織がなかったので一から業務の基盤を構築する必要があった他、専任の経理担当は1人しか置けない状況でした。こうした背景から内製化は難しいと判断して、アウトソーシングを検討したそうです。当社が採用しているクラウド会計システムに対応できて、将来的なガバナンス構築にも対応し得る力を重視して、当時の経理担当者主導でメリービズさんの『バーチャル経理アシスタント』の導入を決定したと聞いています」

 しかし、経理業務の基盤を一から構築するプロセスは容易ではなかった。この時期の難しさを、メリービズの関田望栄氏が振り返る。


メリービズの関田望栄氏(クライアントサクセス オンボーディングチーム リーダー)

 「当社の場合、お客さまの業務をそのままトレースして巻き取るのが基本のサービスモデルです。マップフォーさんは元々グループ会社が経理業務を担っていた関係で、自社内に経理業務のプロセスが存在しない状態からスタートしました。日々の実務を回して納品を続けながら、同時に業務プロセスを構築・改善する必要がありました」

 業務プロセスの改善フェーズでは、社内の合意を形成できず改善が進まない課題もあったという。

 「社内のステークホルダー間で『経理がどうあるべきか』という共通の主語を持った合意形成が不足していた部分がありました。そのため、メリービズさんに業務改善を提案していただいてもマップフォー内の擦り合わせや意思決定に時間を要してしまい、最初の1年ほどは業務の整理が不足している領域が残存していました。2025年1月にメリービズさんと腹を割ってお話しして、課題を洗い出したことで前に進み始めました」(巽氏)

マップフォー唯一の経理担当者、入社月に四半期決算を締める

 マップフォーは2025年半ば、さらなる体制の変更を迫られた。前任の経理担当者が現場を離れることになり、経理の実務体制を再編することになったのだ。このタイミングで新しく着任したのが、長年経理畑で経験を積んできた内田憲宏氏だ。

 内田氏は、2025年7月1日に入社したその日から大きな課題に直面した。マップフォーの決算は9月末で、6月末は第3四半期の期末に当たるため、内田氏は入社直後に1人で四半期決算を締めなければならなかった。


マップフォーの内田憲宏氏(コーポレートデザイン部)

 「入社月に四半期決算を締めなければならないという状況で、残念ながら前任者との引き継ぎがかなわないという、非常に特殊なスタートでした。いわゆる決算整理業務がブラックボックス化している中で、どのように決算を組み立てるかが最初の大きな課題でした」(内田氏)

 このような状況下で決算手続きを滞らせずに進行できたのは、メリービズが日常業務を確実に遂行してくれたおかげだと内田氏は語る。

 「日常的な仕訳入力や振り込みデータの作成、経費精算や支払い依頼といった申請系データのチェックと登録業務をメリービズさんが担当してくれたのでとても助かりました。緊急事態的な時期で、委託時点の想定とは明らかに異なる状況にもかかわらず、日常実務をメリービズさんが主体的に組み立ててくれました。そのことを余裕がないなりに感じることができ、安心してお任せできたからこそ、私は決算業務に集中できました。

 本来の委託内容ではない決算についても、メリービズさんに過去のやりとりに関する情報や資料を共有してもらったり、不明な点について教えてもらったりと、しっかりとサポートしていただきました。メリービズさんと連携できたことで、無事に四半期決算業務を完了できました」

 四半期決算の対応を終えたマップフォーは、会社にとっても経理にとっても重要なイベントである本決算に進んだ。ハードウェアの組み立てやソフトウェアの開発などを手がけるビジネスの特性上、経理業務では製造業に類する複雑な工程管理が必要になる。進行基準売上計上、原価計算、研究開発費の計上、税効果計算など、高度な対応を迫られた。

 「四半期決算後も、過去の仕訳や証憑(しょうひょう)の収集分析、税理士などの外部専門家からの情報の入手を通して、期末決算に向けて必要な情報の解明を進めました。

 メリービズさんのコンサルタントは専門性が高く、日常業務の遂行にとどまらないテクニカルなアドバイスも頂きました。外部専門家とは違い、日常業務をお任せした上で専門的な知見に裏付けられた助言を頂けたことは大きな安心感につながりました。大変な時期でしたが、本決算も無事に終えられましたし、業務理解も一気に進みました。期初から自分の手で組み立てられる今期は、前例にとらわれずに運用を改善することで上場企業レベルの経理水準を実現しています」

柔軟な経理体制を構築する、メリービズの「3つの設計」

 マップフォーが体制変更を乗り越えて強固な経理体制を築けた原動力の一つに、メリービズが実践した3つの設計がある。メリービズの石井雄太氏は、これら3つの概念がなぜ持続可能なバックオフィス構築に必要なのかをこう説明する。


メリービズの石井雄太氏(クライアントサクセス ゼネラルマネージャー)

 「『余っているボリュームや作業をそのまま外に出す』といったリソースの補填(ほてん)が目的のアウトソーシングでは、社内の属人化や非効率、業務のブラックボックス化といった課題は解決しません。私たちは単にお客さまから言われた作業をこなすだけでなく、組織の変更や経営環境の変化に耐え得る持続可能な経理体制をつくるために『業務設計』『体制設計』『運用設計』を重要視しています。

 業務設計で、経理業務を可視化して可変性を持てるように整える。求められるスキルや役割を規定して、顧客側とメリービズ側それぞれに業務の進行に必要な体制を設計する。そして運用設計で『このやりとりはAさんとBさんが担当しましょう』と決める。これら3つの設計がセットになって初めて、形だけの外注ではない、持続可能で柔軟な経理組織を構築できます。

 内田さんが入社された時点でこうした設計の要件はほぼ決まっていて、後は実行に移すだけの段階になっていました。巽さんと改めて課題を洗い出したことや内田さんの参画がきっかけとなって、ボトルネックになっていたさまざまな要因が解消された他、マップフォーさん社内の意思決定も進むようになり、より良い運用に向けて動き出せました」

 「本決算を通じて、たまっていた課題がクリアになりました。上場企業レベルで正しい仕訳を切っていこうという方針のもと、メリービズさんと二人三脚でフローのチューニングを繰り返してきました。現在は安定して運用しています」と内田氏は手応えを語る。日常業務の迅速化と効率化に特に効果を感じているという。

 「当社の仕訳全体の約4割を占めるのが、預金口座や法人カードからクラウド会計へ自動連携されるデータです。従来は連携データと証憑を照合する作業を月初にまとめて行っていましたが、メリービズさんに『証憑がそろい次第すぐに作業してほしい』と依頼したところ、柔軟に運用を切り替えてくれました。仕訳が月初に集中しなくなり、決算の早期化にもつながっています。

 レスポンスが速い点も助かっています。仕訳設計は『設計して終わり』ではなく、日々の運用で発生する構造のズレをどれだけ早く直せるかが重要です。メリービズさんとはSlackでやり取りしており、細かな修正依頼にもすぐに対応してくれます。このスピード感こそ、構造の再現性を保てている大きな要因だと思います」(内田氏)

 業務の標準化と安定運用が進んだことで、以前は毎週実施していた打ち合わせは月に1回の簡単な確認で済むレベルに落ち着いたという。

AIエージェントとの共存を見据えて――激変する環境を生き抜く経理体制

 組織の転換期を乗り越え、強固な経理基盤を手に入れたマップフォーは経理業務へのAIエージェントの導入を視野に入れている。内田氏はAIを導入する場合も業務を設計して日常業務に落とし込むのは人間の仕事だと考えている。

 「多くの経理システムがAIに力を入れる中で、私も『AIがあれば経理担当者は不要になるのではないか』と真剣に考えた時期がありました。ただ仕訳を切るだけならAIに全振りして終わりですが、仕訳は単純に取引の勘定科目と金額を記録するだけではなく、その後の決算や開示、税務にデータを流すための構造を作る設計作業そのものです。経営戦略や法改正を踏まえて、決算書や税務申告書、開示文書を作りやすい構造を考えることはAIに任せきりにはできないと思っています。

 だからこそ、経理のあるべき姿を共に考えてくれるメリービズさんの存在を力強く感じます。『理想の運用を考えて変化する』ために、私たちの変化に柔軟に付いてきてくれ、新しい形を一緒に作り上げてくれる対応力、それこそがメリービズさんの強みです。これからAIエージェントによって経理環境は大きく変わると思いますが、メリービズさんと一緒に乗り越えたいです」

 人手不足を埋めるための単なる外注を超えて、クライアントの根本的な経理課題を解決するメリービズ。石井氏は、経理業務に悩む読者に次のようにアドバイスを送る。

 「経理部門のリソース不足に悩む経営層やマネジメント層の方には、まずはバックオフィスの『あるべき姿』を専門家と一緒に設計するところから始めてください。会社の成長に合わせて柔軟に対応できるバックオフィスの構築こそが、組織改編や激しい市場変化を生き抜く武器になるはずです」

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提供:メリービズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2026年9月30日

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