「辞めてほしいシニア」と「残ってほしいシニア」 企業はどこを見ているのか(1/5 ページ)
早期退職を募集する企業が増える中、「残ってほしいシニア」と「辞めてほしいシニア」は何が違うのか。大企業の組織構造や専門性を手掛かりに、企業が人材を見極める基準と、社外で活躍するためのヒントを解説する。
早期退職を募集する企業のニュースは、もはや日常の光景になった。2025年には上場企業43社が早期退職を実施し、対象者は約1万7800人に上った(関連リンク)。しかも、実施した企業の約7割が黒字企業だ。
こうした募集は、表向きは「対象者を一律に募る自主的な応募」という形をとる。特定の個人に「あなたは応募しなさい」と迫れば、退職強要とみなされるリスクがあるからだ。だから企業は一律に募集をかける。
しかし企業の内部では、「辞めてほしい人」と「残ってほしい人」の線引きが存在するようだ。
今回は3000人以上のシニアのセカンドキャリアを支援し、企業側からシニアの人材活用について相談を受けてきた立場から、この分かれ目がどこにあるのか、そして「辞めてほしい側」と見られてしまった人に道は残されているのかを解説する。
表向きは「一律」、しかし本音は分かれている
前提として、企業は特定の社員を選んで何かを受けさせることを嫌う傾向がある。
研修一つとっても、対象者を絞って実施しようとすると敬遠されることが多い。「一律でやらないと難しい」という反応が返ってくる。特定の個人を選び出して扱うことは、人事のルール上、慎重にならざるを得ないのだろう。
早期退職も同じで、あくまで一律の募集という建前を崩さない。「辞めてほしい人」も「辞めてほしくない人」も混ざった状態で募集がかかる。
ただし、その後の対応は水面下で変わってくるようだ。人事部の悩みとしてよく聞くのは、「優秀な人ほど辞めてしまう」ことだ。残ってほしい人に対しては、事業部単位で個別に慰留の働きかけが行われる。そうしたことも起きていると聞く。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物
「いまの時代、7割は課長になれない」と言われているが、ビジネスパーソンはどのように対応すればいいのか。リクルートでフェローを務められ、その後、中学校の校長を務められた藤原和博さんに聞いた。
なぜ若者は広島を離れるのか 5万件の口コミ分析で見えた"意外な理由"
広島県では若者の転出超過が5年連続で全国最多となった。なぜ若者は地元を離れるのか。5万件超の口コミや求人、転職データを分析すると、給料だけでは見えてこない意外な理由と、企業が取り組めるヒントが浮かび上がった。
やっぱり、すぐ辞める新人は世の中をナメているのか 「倍速退社」の背景にある企業の病
4月の入社後、すぐに退職代行サービスを利用して会社を辞める若者がいる。「そんな人は、ロクな大人にならない」と言いたくもなるだろうが、原因は若者だけにあるわけではなく……。
IT人材は東京のどこに住んでいる? 首都圏の“知られざるテックエリア”を地図で見る
首都圏に集中するIT人材の居住傾向を可視化。中野や下北沢、五反田など、意外な“隠れたテックエリア”の分布や、若手エンジニアが選ぶ街の特徴をデータで読み解く。


