「仕入れ金がない」「入金がずれた」 銀行が断る“突発ニーズ”を救う「AIファクタリング」の勝算(2/2 ページ)
企業の資金調達手法が多様化している。銀行融資を補完するファクタリングはどのように広がり、金融サービスはテクノロジーの活用によりどう変わろうとしているのか。
OLTAが描く「点→線→面」 資金調達から経営支援へ
OLTAは8月14日、りそなホールディングスと資本業務提携を結び、25億円のエクイティ資金調達を実施した。この提携の狙いの一つが、銀行口座と連携したサービスのシームレス化だ。
これまで同社は、自社でリーチできない地方の小規模事業者にサービスを届けるため、地銀や信金との提携に注力してきた。りそなグループは、りそな銀行のほか埼玉りそな銀行、関西みらい銀行、みなと銀行などを傘下に抱える。今回の提携により、顧客が日常の入出金や決済を行う流れの中で資金繰りの課題を検知し、ファクタリングなどの選択肢を自然に提案できる仕組みの構築を目指す方針だ。
なお、従来取り組んできた地域金融機関との個別提携も、引き続き同社の軸として強化していく考えだ。
こうした提携の先にあるOLTA自身の長期的な展望について、武田氏はサービスによる支援を「点」から「線」そして「面」へと広げていく構想を明かす。つまり、資金が必要になった企業をその都度支援するのではなく、日常の経営データから資金需要を捉え、最終的には資金繰りにとどまらず経営そのものを支援する構想だ。
「現在のファクタリングは『今月困っている』という申し出に応える救急医療のような『点』のソリューションに近いです。しかし今後は、インボイス管理ツールをはじめとする日常で使うツールとの連携を通じて、日頃の経営状態を把握し、資金繰りが悪化する前の『未病』の段階で支援を提案する『線』の支援へと進化させたい。そして最終的には、金融面に限らない、経営全般の課題を支える『面』のソリューションを目指していきます」(武田氏)
「中小企業の経営者が資金繰りに悩むことなく本業に集中していれば、自然と経営が回る社会を作りたい」――その言葉が示すのは、資金調達を支えるだけでなく、中小企業の経営そのものを支える存在へと金融サービスを進化させる、同社の目指す姿だ。
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