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プルデンシャル生命でまた不祥事……営業自粛の裏で続いた詐取、なぜ「不正」は根絶できないのか(3/4 ページ)

自粛期間中の金銭詐取や情報紛失の連鎖に揺れるプルデンシャル生命。完全歩合制や「スター聖域化」がもたらした組織文化の病理とは。

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風土ではなく、文化として根付いている

 プルデンシャル生命は、社長の引責辞任、報酬体系の見直し、長期の自粛という、相応の対応を取ってきた。しかし、それでもなお被害の広がりが止まらない。金融庁が求める「3線管理態勢」、つまり営業現場、管理部門、内部監査という3つの防衛線を機能させることが求められているが、それだけで十分なのだろうか。

 ここで「組織風土」と「組織文化」という2つの言葉の違いを整理したい。

 組織風土とは、職場の人間関係や空気感を指し、長年の歴史から自然に形づくられるものだ。一方で組織文化とは、企業理念や仕事に対する共通の判断基準を指し、経営層が方針や制度を通じて“意図的”に作ることができるものだ。

  • 組織風土:自然とできあがったもの
  • 組織文化:意図的に作り上げたもの

 同社は不祥事の背景として「営業諸制度」「経営管理体制」「組織風土」の3つの側面に構造的な問題があったと自認している。

 なかでも本質的な病理は、高業績者をひたすら称賛する「スタープレーヤー主義」が、営業現場の「密室化」を容認してしまった点にある。顧客と対峙する営業社員の業務を「最も尊い聖域」として扱うあまり、営業管理職や本社のけん制部門が、現場への介入や不審な行動への干渉を意識的・無意識的に手控えてしまったのだ。

 なぜ、これほど長期(30年以上)にわたって不正が繰り返され、防衛線が全て機能不全に陥ったのか。背景には、個人のモラルの問題や一時的な風土の乱れがあるだろう。しかし、それ以上に、歪んだ営業のあり方や不正を見過ごす姿勢そのものが、「文化」として根付いてしまっていた可能性がある。

 文化として一度根付いたものは、目に見えないからこそ修正が極めて難しい。制度という形だけを整えたところで、その奥にある「スターを特別扱いする」「現場に口出ししない」という価値観そのものが変わらなければ、自粛期間が明けた後に再び同じことが繰り返されるだろう。

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