コラム
店長年収「最大2000万円」の効果は? 丸亀製麺・トリドールが増収も大幅減益となった背景:小売・流通アナリストの視点(5/5 ページ)
第一四半期決算で大幅減益となったトリドールだが、業界大手の不動の地位を手に入れる可能性がある。それはなぜなのか?
心的資本経営の成否がもたらす影響
この人事評価制度はまだ検証段階であり、今回の減益がこの制度によるものかどうかも、現時点では判断できないだろう。しかしこれが成功すれば、トリドールは業界で屈指の職場環境を実現し、結果として業界の優秀な人材を総取りできる可能性は大いにある。
時代の変化とともに外食業界の就労環境は大きく改善しているが、職場の人間関係から来るストレスは依然として大きな課題だ。その根本的な原因は、目標管理強化による職場内のひずみにある。例えば、実現不能な目標を課された人間は、逃げたり不正行為に走ったりする可能性が極めて高くなる。ESがCSにつながり、結果として業績につながることをトリドールが証明できれば、業界全体、ひいてはサラリーマンの雇用環境自体にも良い影響を与えてくれるだろう。
売り上げなどの数値に重きを置きすぎる人事評価については、筆者自身も大きな課題だと考えていた。特に職場環境が厳しい外食業界においては、人材の定着は常に経営課題であり、その解決のために給与水準の改善やキャリアアップ、独立支援などに取り組む企業は多い。
ただ、従業員にとって報酬やキャリアアップはもちろん、幸せな職場環境も重要であるはずだ。パートやアルバイトの多い業界ではさらに重視されるポイントだろう。
これまでにないESからCSを生み出して業績へとつなげるトリドールの人事制度への評価は、あと数年は待たねばならない。ただ、この仕組みが成功すれば、トリドールが業界大手として不動の地位を固めることにつながるはずだ。
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