店長年収「最大2000万円」の効果は? 丸亀製麺・トリドールが増収も大幅減益となった背景:小売・流通アナリストの視点(4/5 ページ)
第一四半期決算で大幅減益となったトリドールだが、業界大手の不動の地位を手に入れる可能性がある。それはなぜなのか?
売り上げ以上に注目されているのは……
売上高以上に注目されているのは、トリドールの人件費負担の拡大が利益に与える影響である。
トリドールは「心的資本経営」という独自の考え方に基づき、新たな人事評価制度を開始し、評価の高い管理職の年収を最高で2000万円台という破格の待遇にすることで人材の定着を図った結果、人件費が増加し、収益力をそいでいる可能性が指摘されている。
ただ、この心的資本経営という考え方は、これまでの業界の常識とは大きく異なる評価基準であることを理解しておく必要がある。管理職の評価基準を、売り上げなどの数値よりも、組織のメンバーの満足度に置いているのである。
売り上げや利益はあくまでも結果であり、そこを目標とすると、達成のために顧客や従業員の満足に反する行動をしてしまう。結果として顧客満足度(CS)や従業員満足度(ES)が下がり、企業としての損失につながるとトリドールは考えているのである。
従業員が幸せに働くことで、顧客に感動してもらえるサービスを提供でき、結果として顧客に支持されて売り上げや利益が上がるのが望ましい組織だ。そのためトリドールは「ハピカン」という、従業員の幸せ(ハピ)と顧客の感動(カン)を重視することを決めたのである。
そしてハピカンを測定する仕組みを作り、その評価が高いことが店舗の成績にもつながることを検証している。そして、ハピカンを実現できた管理職を高く評価し、最高で年収2000万円にもなる報酬を提供するのである。
つまり、CSとESを実現できるリーダーは利益を生み出すとの考え方から、その功に報いるための人事制度を採用しているのである。
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