「1台数千万円」の機器を全て“丸見え”に 島津製作所が作った「理想的なラボ」、潜入して分かった工夫と狙い(2/3 ページ)
島津製作所が、1台数百万〜数千万円以上する計測機器を集めた研究施設を開設している。「理想的なラボ」を目指したといい、ガラス張りで公開している。その狙いとは。
インドに年2000台出荷 最注力の「液体クロマトグラフ」とは
2階にある「Healthcare Science Lab.」には、約50台の「液体クロマトグラフ」(LC)を設置している。LCは、医薬品などの化合物を、液体の状態で分離・分析する装置だ。島津製作所が「重点事業」に掲げる領域で、売り上げの柱になっている。
LCはインドへの販売が好調だ。西尾氏によると、売れ筋の機種は月間約180台、年間約2000台を出荷しているという。「インドには、ジェネリック医薬品の製薬メーカーが多数あります。日本のジェネリック医薬品会社を全て束ねた規模の会社が20〜30社存在します。インドの製薬会社の販売先は主に北米です。医薬品の規制を担う米FDA(食品医薬品局)の厳しい監査を通るため、LCなどの装置で品質を管理しなければなりません」(西尾氏)
以下の写真にある、円筒形の機器は質量分析計で、別のLCに接続している。通常のLCは、分析の対象が判明しているときに使用する。質量分析計を組み合わせることで、未知物質の正体を特定できるという。
「(2024年に起きた“健康食品サプリメント”を巡る健康被害の事件で)原因となった成分の分析にこの装置が使われました。国の研究所に同じ装置があり、毎晩徹夜して分析したと聞いています」(西尾氏)
共同研究で解決したかった島津製作所の課題
Shimadzu Tokyo Innovation Plazaの2階には、他社や大学などとの共同研究に使う小振りなラボが3部屋ある。共同研究の狙いについて、西尾氏は次のように説明する。
「分析装置をたくさん持っていますが、分析するサンプルがありません。お客さまはサンプルや課題をお持ちのため、共同研究をして新しい分析技法を開発しています」
島津製作所が場所や装置を提供し、顧客と共に課題解決に挑む。出来上がった成果は両者で共有する。顧客に近いShimadzu Tokyo Innovation Plazaだからこそ、顧客課題を入り口にして新たな分析手法を開発できる。
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