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「私は理由を聞いているだけなのに」――職場でも起きうる「納得するまで詰める」ことのリスク(1/3 ページ)

はてな匿名ダイアリーに投稿された記事がXで大きな話題になった。他人事とは思えないエピソードだと感じた人もいるのではないだろうか。似たようなコミュニケーションは家庭だけではなく、職場でも起こりうる。

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著者プロフィール:村上 ゆかり

コラムニスト。1児の母。リクルートにて人材業界で法人営業、面接、面談フォロー実績数百件を経験。人事役員などと伴走しさまざまな人事課題に向き合う。広告業界にて5000人集客イベント企画&事務局経験、福祉業界では人事管理職として新卒及び中途採用を1人で設計から実務まで担当し年間約120人採用を達成。国会議員秘書約4年半を経験後、フリーで活動を始め、執筆のほか企業の人事採用コンサルタントなどを手掛ける。アンガーマネジメント講師。

 9月6日、はてな匿名ダイアリーに投稿された記事がXで大きな話題になった。

例えば元夫が約束を忘れたとする。私は「なんで忘れたの?」と聞く。元夫は「ごめん」と言う。「謝ってじゃなくて、なんで忘れたのか聞いてる」「忘れてたから」「それは分かってる。なんで忘れたの?」「分からない」」「自分がやったことなのに?」「本当に分からない」「じゃあまたやるってこと?」みたいな話を何時間もしてた。

 投稿者は怒鳴っていたわけではない。理由を知り、問題を解決したかっただけで「納得できる説明をしてくれたら終わる」と考えていたという。


「納得できる説明」が得られるまで質問してしまう――そんな記事が話題となった(ゲッティイメージズ)

 これを読んで、他人事とは思えないと感じた人もいるのではないだろうか。似たようなコミュニケーションは家庭だけではなく、職場でも起こりうる。

「ミスの理由を聞く」こと自体は間違っていないのだが……

 新人が定着しない部署を見ていると、仕事ができるベテラン社員が中心となって新人指導にあたっているケースがある。ミスがあれば理由を聞く。やり方が違えば指摘する。発言内容だけを見れば、なんら間違ったことはしていない。ベテラン社員本人も「部署のため」「本人のため」と思って指導している。しかし、新人は徐々に追い詰められていく――。

 仕事で「なぜ?」と聞くこと自体は悪くない。ミスの原因を確認し、再発防止を考えるのは当然のことである。

 問題は、会話の終了条件がいつの間にか「仕事上必要な確認が終わったか」ではなく、「自分が納得したか」に変わることだ。

 新人:「確認不足でした」

 ベテラン:「なぜ確認しなかったの?」

 新人:「急いでいました」

 ベテラン:「でも、急いでいても確認はしないといけないよね?」

 ここまで進むと、相手は事実を説明するより「この人が納得する答え」を探し始める。

 元の記事でも、相手から「何を言っても終わらない」と言われた投稿者は「納得できる説明をしてくれたら終わる」と返している。ここに、職場でも起きるコミュニケーションのズレが凝縮されている。

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