「チャイナリスク」なのに、なぜ増やす? はま寿司200店、サイゼリヤ604店……日本企業の“ねじれ”:スピン経済の歩き方(3/5 ページ)
「はま寿司」や「サイゼリヤ」など、日本企業の中国進出が加速している一方で、国内への恩恵はほとんどない可能性がある。なぜかというと……。
「脱・中国依存」が叫ばれている中で
中国は採掘で約7割、精錬や加工などの工程では約9割の世界シェアを占めており、日本も中国に大きく依存している。しかし、それでは政治的なカードとして利用されてしまうということで、南鳥島沖の深海5000メートルに眠るレアアースを実用化できないかと官民が協力して取り組んでいる。
また、「安い外食」の見直しも急務だ。激安メニューに欠かせない「輸入冷凍野菜」の49.4%、「鶏肉調製品」の34.9%、「かつお・マグロ」の20.2%を中国が占めている(『農林水産物輸出入概況2025年』)。そのため消費者側にも、「少し高くても国産を選ぶべき」という意見が増えてきた。
このように、さまざまな分野で「脱・中国依存」が叫ばれる中、日本を代表する大手チェーンが、中国への依存を強めている。時代の流れに逆行するような経営方針に、釈然としない人も多いかもしれない。だが、これも「日本企業の海外進出」の現実なのだ。
外務省による「海外進出日系企業拠点数調査」(2025年)によれば、中国に進出している日系企業の拠点数は2万6273カ所。米国の9584カ所、韓国の2753カ所、台湾の1582カ所と比べても突出して多い。
ちなみに、2020年に行政効率化の観点から調査が中止された「外資系企業動向調査」(2019年調査)によれば、日本国内にある中国企業は337社。米国系は760社で、欧州系企業は1421社であり、それらと比較しても、それほど多くない。
ネットやSNSの論調では「中国とビジネスをしても政治的リスクが高すぎる」「長い目で見れば中国から撤退したほうが得」というのが主流だが、なんのことはない。今も日本企業は、まだゴリゴリに中国依存している現実があるのだ。
「いや、依存じゃなくて、中国で稼いだカネではま寿司やサイゼリヤが成長してくれれば、回り回って日本人だって安くてうまい寿司やイタリアンが食べられる。ありがたいことじゃん」というポジティブシンキングの人もいらっしゃるかもしれないが、それは大きな誤解だ。
中国に進出した日系企業がいくら成長したところで、日本経済にとっては、マイナスのほうが大きい。中国で稼いだ金は、中国国内での設備投資や中国人労働者の人件費などに再投資されることが多いからだ。
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