業務に必要な資格なのに……勉強時間やテキスト代、会社or本人負担の線引きはどこ?:社労士Q&A
業務で必要な資格について「終業後や休日に勉強しておいて」と伝えたところ、社員から「仕事に必要な資格なのだから、勉強も勤務時間にするべきではないか」「受験料や教材費は会社が負担するべきではないか」といった声が寄せられました。勤務時間外に資格取得のために勉強することや、資格取得にかかる費用について、会社はどう判断すべきでしょうか?
社労士Q&A
従業員の皆さんが「あれ?」と思っている社内規定や人事制度。人事や総務など管理部門の皆さんが「こんなときどうすれば……」と迷っている制度設計や問い合わせ対応。そうした疑問を、社会保険労務士の佐藤敦規先生に聞いてみました。
回答者プロフィール
佐藤敦規(さとう あつのり)
社会保険労務士。中央大学文学部卒。50歳目前で社会保険労務士試験に挑戦し合格。三井住友海上あいおい生命保険を経て、現在では社会保険労務士として活動。法人企業の助成金の申請代行や賃金制度の作成に携わっている。 社会保険労務士としての活動以外にも、セミナー活動や、「週刊現代」「マネー現代」「プレジデント」などの週刊誌やウェブメディアの記事を執筆。 著書に、『45歳以上の「普通のサラリーマン」が何が起きても70歳まで稼ぎ続けられる方法』(日本能率協会マネジメントセンター)、『リスクゼロでかしこく得する 地味なお金の増やし方』『おじさんは、地味な資格で稼いでく。』(以上、クロスメディア・パブリッシング)などがある。
Q: 業務で必要な資格について「終業後や休日に勉強しておいて」と伝えたところ、社員から「仕事に必要な資格なのだから、勉強も勤務時間にするべきではないか」「受験料や教材費は会社が負担するべきではないか」といった声が寄せられました。勤務時間外に資格取得のために勉強することや、資格取得にかかる費用について、会社はどう判断すべきでしょうか?
業務に必要な資格 勉強時間やかかる費用の考え方とは?
A: 業務に必要な資格だからといって、終業後や休日に勉強するよう求めること自体が、直ちに違法になるわけではありません。
そもそも「仕事で必要な資格なら、勉強時間や取得にかかる費用は全て会社が負担する」と一律に決まっているわけではありません。ただ、実際には受験料や講習費、テキスト代などを会社が負担しているケースや、勤務時間中に資格取得のための講習を受けられる会社もあります。
一方、休日に資格試験を受けに行った場合に、休日手当や試験会場への交通費を支給していない会社もあります。
つまり「仕事で使う資格なのだから、勉強時間も費用も全て会社負担にするべき」「本人が取得する資格なのだから、全て本人負担でよい」と、どちらか一方の視点だけで考える必要はないということです。
会社として資格取得を求めるのであれば、社員にどこまで求め、その代わりに会社はどこまで支援するのかを決めておくことが大切です。
例えば、勉強そのものは本人に任せる一方で、受験料は会社が負担する。あるいは、講習は勤務時間中に受けられるようにする。そうした形で、資格の必要性や会社の事情に応じて支援の範囲を決められます。
「資格を取っておいて」と求めるだけで、勉強する時間や費用をどう扱うのかが曖昧(あいまい)なままだと、今回のように社員との認識にずれが生じやすくなります。社員に求めることと、会社が支援する範囲をセットで明確にしておくとよいでしょう。
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