高校生の求人倍率4.12倍、過去最高 それでも職場見学は「1社以下」? 高卒就活の不思議(1/5 ページ)
高校生の求人倍率が4.12倍と過去最高を更新する一方、職場見学は「1社以下」が4割超。なぜ複数の企業を比べにくいのか。高卒採用を巡る意外な仕組みと変化を追った。
高校生の新卒採用が、かつてないほどの売り手市場になっている。厚生労働省によると、2026年3月卒の求人倍率は4.12倍となり、比較可能な1988年3月卒以降で最も高い水準を記録した。一方、2026年3月卒の大学生の求人倍率は1.66倍(リクルートワークス研究所調べ)で、高校生との差は大きい。
数字上は高校生が就職先を選べる立場だ。しかし、インターンシップや説明会を重ねる大学生と比べると、高校生が応募前に企業と接する機会は少なく、主に職場見学に限られる。その職場見学も、1社で終える高校生が目立つ。
高校生の就職支援を手掛けるジンジブ(大阪市)が、2026年4月入社の高卒社員に実施した調査では、職場見学をした企業の数は「1社以下」が4割を超えた。
就職活動の仕組みは、大卒と異なる。学校に届いた求人票の中から教員と相談して候補を決め、学校の推薦を受けて応募するのが一般的だ。例年、求人票の公開は7月、選考の開始は9月中旬で、職場見学も主にその間の夏休みに学校を通じて申し込む。
選考が始まってから一定期間は、1人が応募できる企業を1社に限る「1人1社制」も、都道府県ごとの申し合わせによって続いてきた。選択肢を狭める制度にも映るが、利点もある。求人が少ない年でも、多くの生徒に応募の機会が行き渡り、学校は短期間で内定まで導きやすいため授業への影響を抑えられる。企業は内定辞退を心配せず、採用計画を立てやすい。
一方で、早期離職につながるとの指摘もあり、近年は最初から複数社への応募を認める地域も増えている。しかし、ジンジブの新田圭常務取締役によると、高校生が比較検討する企業の数は、ほかの地域とあまり変わらないという。応募の縛りを緩めても、比べる企業の数に差が出ないのはなぜか。
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