コラム
50代の転職で年収アップ? いやいや、その前に考えたい「転職が決まるか」という問題(3/6 ページ)
50代の転職では「年収アップ」が注目されがちだが、実際には希望する条件で転職できるかどうかが大きな壁になる。役職定年や定年再雇用を前に、転職のタイミングや専門性、正社員以外の選択肢について考える。
「年収が上がった」という数字だけでは実態が見えない
では、なぜ転職に関するデータを見ると、50代以降でも年収が上がっている人が一定数いるように見えるのか。
ここで注意したいのが、「何と比較して年収が上がったのか」である。50代以降になると、役職定年や定年退職、再雇用などをきっかけに、年収が大きく下がる人も少なくない。
例えば、役職定年前には年収1000万円以上だった人が、役職定年や定年退職、再雇用などを経て、年収500万円程度になった。その人が別の企業に転職し、年収600万円になれば、統計上は「転職によって年収が上がった人」になる。
確かに、直前の年収と比べれば、20%の年収アップだ。しかし、その人の経歴から見れば、最も高かった時期の年収からは大きく下がっている。
つまり、「転職後に年収が上がった」という数字だけを見ても、その人のキャリア全体の中で本当に条件が良くなったのかまでは分からない。
年収の上昇率だけを見て、「50代以降でも一定数が年収を上げている。自分も同じように転職できるのではないか」と考えるのは少し危険だと思う。
重要なのは、その数字の背景に、どのようなキャリアの変化があるのかを見ることだ。
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