50代の転職で年収アップ? いやいや、その前に考えたい「転職が決まるか」という問題(4/6 ページ)
50代の転職では「年収アップ」が注目されがちだが、実際には希望する条件で転職できるかどうかが大きな壁になる。役職定年や定年再雇用を前に、転職のタイミングや専門性、正社員以外の選択肢について考える。
年収以前に、「転職が決まるかどうか」の壁がある
もう1つ、重要な前提がある。そもそも年収を上げることばかりを考えている人は多いが、その前に「転職そのものが決まるのか」という問題を考える必要がある。
私がシニアの転職支援をしている中で感じるのは、年齢が上がるにつれて、応募できる求人や企業から求められるポジションが少なくなっていくということだ。
30代であれば、比較的幅広い求人がある。しかし40代、50代と年齢が上がるにつれて、求められる経験や専門性はより限定されていく。60歳を過ぎれば、さらに選択肢は少なくなる。
シニア採用市場では、企業が多くの候補者から選べるケースも多い。その中で、「今の年収と同水準でなければ働かない」「正社員でなければ転職しない」と条件を固定してしまうと、応募できる企業そのものが極端に少なくなってしまう。
実際、転職活動を始めた当初は高い年収を希望していたものの、なかなか転職が決まらず、希望条件を徐々に緩めていく人は珍しくない。
50代以降の転職では、「年収を上げられるか」という問い以前に、「自分を必要としてくれる企業と出会えるか」といった問題がある。
だからこそ、転職を考えるタイミングは非常に重要だ。
役職定年を迎える前など、まだ社内で一定の肩書や責任を持っている段階で転職活動を始めた人は、それまでの経験やポジションを評価されやすい。一方で、役職定年や定年退職、再雇用を経てから初めて転職市場に出ると、以前と同じ条件を維持することが難しくなるケースもある。
「まだ今の会社で役員になれる可能性があるかもしれない」「もう少し会社に残ってから考えよう」。そう考える気持ちは理解できる。
ただ、今後のキャリアについてある程度の見通しが立っているのであれば、早い段階から社外の選択肢を持っておくことには大きな意味がある。年齢を重ねるほど、転職の選択肢は狭くなっていく。
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