国産AIのノエトラ・丹波社長「今からでも1位を取れる」 挑むは“母艦モデル”開発、国内基盤での提供 勝ち筋は(2/3 ページ)
国産AI開発を掲げるNoetraの丹波廣寅社長は「今からでも1位を取れる」と語った。目指すのは、日本企業のAI利用を支える“母艦モデル”だ。その勝ち筋は。
生成AIとどう違う? フィジカルAI用モデルの条件
マルチモーダル基盤モデルを開発するに当たり、フィジカルAIへの対応は欠かせない。しかしフィジカルAIの場合、従来の生成AIとは求められる能力が大きく異なる。
生成AIはテキストで質問すると、テキストや画像が返ってくる。「ご飯が食べたい」と伝えると「今日はハンバーグがいいのでは」と提案があるが、料理が出てくるわけではない。
一方、フィジカルAIは、ハンバーグを調理して提供するイメージだ。「ロボットの手を回転させて動かす」といった実際の動作まで扱う必要がある。入力されるデータはテキストだけでなく、音やセンサー、映像に広がる。
そのため母艦モデルには、機械を動かす「制御」のAIに加え、作業の手順を組み立てる「推論・計画」のAI、両者を動かす順番やタイミングを判断する「エージェンティックAI」の仕組みも組み込む。丹波社長は「一定の動作しかしないロボットを組み合わせて何かを作り上げるには『どう作ればよいか』を計画するAIが別に必要になる」と説明する。
さらに、製造業、倉庫業、物流業といったバリューチェーン全体をAIが俯瞰(ふかん)して「こういう売り方をするのであれば、こういう作り方をした方がいい」と導き出す協調動作も目指す。
「3桁か5桁か」精度の数値は企業秘密
母艦モデルの構想についての質問で、最も多かったのが「自社のデータを全てNoetraに渡さなければならないのか」「オープンウェイトで公開すれば情報が外部に出てしまうのではないか」というものだったという。丹波社長の答えは、段階ごとにデータの置き場所を分ける、というものだ。
母艦に入れるのは、業務が「どのような情報で、どのような順番で行われるか」という教科書レベルの枠組みにとどめる。教科書的な内容であるため、公開しても問題ない。Noetraのオープンウェイトモデルを基に、各社が自社データを使ってファインチューニングし、自社の機械や業務に合わせたモデルを作る。
「精度について3桁のデータを持っているのか、5桁のデータを持っているのかは企業秘密だ。その(具体的な数値に関する)情報は必要ないが『精度を意識して機械を制御するのだ』という(制御の方針に関する)情報は必要になる」(丹波社長)
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