しまむら絶好調の理由は「物価高」だけにあらず? 安売りを続けられる納得のカラクリとは(2/4 ページ)
しまむらの業績が絶好調だ。物価高で価格優位性のあるしまむらに消費者が流れたという考え方もできるが、小売り業界に詳しい佐久間俊一氏は「しまむらがスゴいのは、もっと別の点にある」と分析する。どういうことか。
主力のしまむら業態では、2026年2月期の既存店売上高が前期比で4.4%増えました。内訳を見ると、客数が4.1%増、客単価は0.3%増です。平均単価は1.2%上がったものの、1人当たり購入点数は1.0%減っています。商品価格を大きく引き上げて売り上げをつくったというより、来店する人を増やしたことが成長の中心とみてとれます。
この傾向は続いています。
2027年2月期第1四半期は、平均単価が0.7%低下する一方、既存店客数が6.4%増え、全体の営業利益も16.8%増加しています。単に価格を安く見せるのではなく、仕入れ、在庫移動、物流、値下げ抑制を連動させ、低価格でも利益を残している点にしまむらの強さがあります。
値上げが相次ぐ市場では、価格を引き上げすぎて顧客が離反しないことが大前提です。この鉄則を同社は着実に押さえています。
なぜ、しまむらは多くの人を引き付けるのか?
多くの人がしまむらに来店する理由の一つが、プライベートブランド(PB)の「CLOSSHI」です。しまむら事業における2026年2月期のPB比率は25.1%、PB売上高は7.7%増えています。中でも保温素材を使った「FIBER HEAT」は28.6%増と大きく伸びました。PBは品質や機能を説明しやすく、他社と単純な価格比較をされにくい商品です。原材料費が上がる局面でも、価格以外の「選ばれる理由」をつくれます。
しまむらは「JB」も手掛けています。これはサプライヤーと共同開発するブランドで、PBとは異なるテイストや年代別の需要を取り込む役割を担います。さらに、キャラクター商品やインフルエンサーとの共同企画は売り場に変化を与え、若い顧客や目的買いの客を呼び込んでいます。2027年2月期第1四半期は、しまむら事業でキャラクター商品の売上高が22.1%増えました。
機能性を訴求するPBが日常需要を取り込み、JBが品ぞろえに幅を持たせ、キャラクター商品が話題を生み、来店頻度を高める。この組み合わせによって「いつ行っても同じ」という印象を薄めています。
しまむらは、アベイル、バースデイ、シャンブルといったブランドも展開し、それぞれ若年層向け、ベビー・子ども用品、雑貨へと需要を分けています。2026年2月期の売り上げは前期比で、アベイルが6.6%増、バースデイが6.4%増、シャンブルが11.7%増でした。家族のライフステージや趣味に応じて接点を広げる構成になっています。
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