しまむら絶好調の理由は「物価高」だけにあらず? 安売りを続けられる納得のカラクリとは(3/4 ページ)
しまむらの業績が絶好調だ。物価高で価格優位性のあるしまむらに消費者が流れたという考え方もできるが、小売り業界に詳しい佐久間俊一氏は「しまむらがスゴいのは、もっと別の点にある」と分析する。どういうことか。
しまむらはなぜ、とにかく安く商品を売れるのか
しまむらは企画から製造、販売までを一貫して手掛けるSPAではなく、サプライヤーから商品を仕入れて販売する「仕入れ型」を追求してきました。約600社と長期的な関係を築き、各社が持つデザイン、商品企画、生産管理のノウハウを活用しています。自社で全てを抱え込まず、取引先の専門性を組み合わせて多品種の商品をそろえるモデルです。
その関係を支える仕組みが、完全買取です。サプライヤーが商品センターへ一括納品した後、しまむらは商品を返品しません。しまむらが在庫リスクを負う一方、サプライヤーは返品に伴うコストや販売後の不確実性を抑えられます。発注量の大きさだけで価格を下げるのではなく、双方のコストを減らす取引条件を整えている点が重要です。
商品は本社のバイヤーが全店舗分を一括して仕入れています。「セントラルバイイング」と呼んでいるモデルで、多店舗分の発注をまとめることでスケールメリットが働き、仕入れコストを抑えられます。ただし、大量に買い取るだけでは在庫リスクが膨らみます。そこで、在庫管理と物流を一体で運用する力が必要になります。
しまむらは国内10カ所の自社運営商品センターを持ち、商品を各店舗へ配送しています。販売データを見ながら担当者が店舗間で在庫を移動させます。ある店で動かない商品も、別の商圏では売れる可能性があり、値下げする前に売れる場所へ移せれば、粗利益を残しやすくなります。
実際、2026年2月期のしまむら業態の値下げ率は6.2%で、前期から0.2ポイント改善しました。わずかな差に見えますが、しまむら業態の売り上げは5000億円を超える規模と考えると、インパクトは小さくありません。低価格を続けながら利益を確保する上では、仕入れ値を数円下げる努力と同じように、値下げ対象になる在庫を減らすことが効きます。
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