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「クレームこそ最大の商機」 合成紙大手ユポが半世紀貫く“コト売り”と、AIによる暗黙知継承(2/2 ページ)

大手ITが競う「コト売り」を設立以来半世紀にわたって現場で体現してきたのが合成紙大手ユポだ。光学シートから医療用トリアージタグまで用途を広げてきた同社の強みは、「クレームこそ最大の商機」と言い切る課題解決力にある。営業・開発・技術・共創推進の4部門が連携する組織改革と、ベテランが培った膨大な「トラブル対応の暗黙知」をAIで継承するDXの裏側に迫る。

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ベテランの暗黙知をAIで継承 「トラブル対応ノウハウ」をDX

――顧客の課題を、部門の壁を越えることで解決してきたDNAがあることは分かりました。そうした社内に蓄積してきた経験やノウハウを、次の世代にどう引き継ぐのでしょうか。

内藤: これからの世代にどう伝えていくか。これはまさに当社の今後の課題です。ユポの強みはテクニカルサービスだと昔から言われてきました。若手は経験が少ないので、経験させないとノウハウは身に付きません。ただ現実的に、一人でいろいろなことをやるのも難しい。ですから印刷は印刷、加工は加工と分業して継承していく必要があると考えています。

――そうした暗黙知の継承に、AIは使えるのでしょうか。

宮口: 一人一人の経験の少なさを、AI活用によってカバーできる部分があります。だからこそ活用しなければなりません。加えて、社内に眠っている情報をどうするかという問題もあります。中途採用の社員も増えており、何の情報がどこにあるのか分からない状態になりがちです。そこでAIのチャットボットを、カテゴリーごとに作り始めています。まずシステム関連から始め、人事制度や営業、開発と広げていく。これがこれからのステップです。

内藤: 「この課題解決に対する、お勧めの仕様やグレードは何?」とAIに聞けば、候補がたくさん出てくる。そういう使い方をしています。

――工場でのAI活用の可能性は、どう考えていますか。

宮口: 工場の自動化と、安全対策に使えないかと考えています。まずはスマート工場化を進めているところです。

 現場にはまだ紙帳票に依存した業務管理が残っていますので、まずはデータ化・ペーパーレス化を進め、その基盤の上にAIを活用していくというステップを踏んでいます。特に伸びしろが大きいのは、安全管理の高度化と熟練工の技能伝承です。作業前のリスクチェックをデジタル化し、ヒヤリハットやノウハウをデータとして蓄積していく。そうした着実なデジタル化の積み上げを進めている段階です。

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ユポの内藤勝弘社長と宮口卓也戦略企画本部長(以下、人物写真は筆者撮影)

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