インタビュー
「日本の勝ち筋は計測にある」 東北大がノーベル賞・田中耕一氏と挑む「精度1000倍」の限界突破(3/3 ページ)
東北大学と島津製作所は、15億円を投じる新拠点「異分野融合計測イノベーションセンター」(CICMI)を開設した。目玉は現在比「1000倍」の精度を誇る質量分析技術の開発と、ノーベル賞受賞者・田中耕一氏の国際卓越教授就任だ。「引退前にもうひと花」と意気込む田中氏とともに病気の超早期発見に挑み、経済安全保障の基盤となる「計測」を武器に、産学連携で日本の国力強化を目指す。
産学連携が広がる好循環を生み出せるか
長引く円安や国際競争力の低下など、日本経済のファンダメンダルズ(基礎的条件)の弱さが指摘されて久しい。政府は経済成長と経済安全保障を両立させるため「戦略17分野」を掲げており、その全ての根底を支えるのが「見えないものを見る、測れなかったものを測る」計測技術だといえるだろう。
「日本の勝ち筋は、計測にある」というCICMIの掲げるスローガンは、単なる研究拠点の意気込みにとどまらず、日本の国力を再び上昇気流に乗せるための明確なロードマップでもある。
日本有数の総合知を持つ東北大と、最先端の分析技術を誇る島津製作所。そして、ノーベル賞受賞者という最高のロールモデルから直接指導を受ける次世代の若手研究者たち。この産学連携の“巨大な実験”がどのようなイノベーションを生み出し、社会実装という果実をもたらすのか。技術立国・日本の逆襲は、仙台の地からすでに始まっている。
左から東北大学 金子俊郎 異分野融合計測イノベーションセンター長、島津製作所 田中耕一 エグゼクティブ・リサーチ フェロ―、西本尚弘 常務執行役員 CTO、山本靖則 代表取締役社長、東北大学 冨永貞二 総長、青木孝文 理事・副学長(企画戦略総括)・プロボスト・CDO、張替秀郎 理事・副学長(広報・未来型医療・医学/医療共創)、遠山毅 理事(産学連携)
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