旭化成・元社員「情報漏えい」で逮捕 「PC返却」で安心する企業が陥る“時間差流出”の罠(4/5 ページ)
旭化成の元社員が営業秘密を漏えいしたとして、不正競争防止法違反の疑いで愛知県警に逮捕された事件。会社は「辞める人」の何を確認すべきなのか。そして、機密漏えいが起きてしまったとき、会社は何を語るべきなのか。
危機の際、会社は何を公表すればいいのか?
もう一つ、経営者に準備してほしいことがあります。「漏れたとき、何を話すか」です。
危機の第一報で怖いのは、安心させようとして、「お客さまへの影響はありません」と言い切ることです。調査途中であれば、まだ分かっていないことがあります。あとで例外が判明すれば、事件そのものだけでなく、最初の説明まで疑われます。
有事の第1報で分けたいのは、以下の3つです。
- 「確認できた事実」
- 「調査中の事項」
- 「会社として既に行っている対応」
これらを一つの文章に混ぜ込まず、切り分けて伝えることが重要です。例えば、以下のような形です。
「当社元従業員が、不正競争防止法違反の疑いで逮捕されたことを確認しました。当社は捜査に協力しています。現時点で対象と確認しているのは〇〇に関する技術情報です。お客さまからお預かりした情報および個人情報については、現時点の調査では対象に含まれていません。流出先での利用状況、当社事業への影響、持ち出しに至った経緯については現在も調査しています。新たに公表すべき事実が判明した場合にはお知らせします」
重要なのは「大丈夫です」と言うことではありません。どこまで分かっていて、どこから分かっていないかを伝えることです。
そして第2報以降では、何を変えたのか、何がまだ残っているのか、いつまでに終えるのか──可能な範囲で具体的な内容と期限を入れます。
「アクセス権限を見直します」より「対象となる〇システムの権限見直しを開始し、〇月末までに完了する予定です」の方が、会社が実際に動いていることが伝わります。
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