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旭化成・元社員「情報漏えい」で逮捕 「PC返却」で安心する企業が陥る“時間差流出”の罠(7/7 ページ)

旭化成の元社員が営業秘密を漏えいしたとして、不正競争防止法違反の疑いで愛知県警に逮捕された事件。会社は「辞める人」の何を確認すべきなのか。そして、機密漏えいが起きてしまったとき、会社は何を語るべきなのか。

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「被害企業」でもあり「管理する企業」でもある

 技術流出事件で難しいのは、会社が2つの顔を持つことです。一つは、秘密を持ち出された被害企業の顔。もう一つは、その秘密を預かり管理していた管理者の顔です。

 そのため、事実が固まる前に「当社の管理が甘かった」、あるいは逆に「当社の管理に問題はなかった」と明言してしまうことは避けたほうが良いでしょう。

 不正競争防止法上の営業秘密に当たるかどうかには、秘密管理性を含む3要件があります。後の民事・刑事手続では、実際にその情報がどう管理されていたかが重要になります。

 初動では、自社の管理状態について法的評価を先回りするより「何が確認できたか」「何をまだ調べているか」「すでに何をしたか」の3つを分けて話す方がいいのです。

 社員が辞める日は、人事上の区切りです。でも、情報管理の区切りとは限りません。退職日にPCが戻ってきた。社員証も戻ってきた。アカウントも止めた。そこで「退職処理完了」と安心していいのかーー。

 今回の事件は、経営者にその問いを突き付けているように思います。

著者紹介:大杉春子(おおすぎ・はるこ)

レイザー代表取締役/RCIJ代表理事

コミュニケーション戦略アドバイザーとしてPR戦略の企画から危機管理広報まで、企業・行政のブランド価値向上を包括的に支援。

日本において唯一、コミュニケーション戦略におけるリスク管理に特化したカリキュラムを展開する日本リスクコミュニケーション協会(RCIJ)を2020年に設立。

上場企業や防衛省での豊富な実績を持つ。

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