OpenAI「Dots」に追随なるか Google「Gemini Agent」参戦で過熱するパーソナルAI競争(2/2 ページ)
米Google Cloudは企業向けイベントでAIエージェント「Gemini Agent」を発表した。単なる指示ではなく目標を渡すだけで自律的に業務を完遂する。最大の特徴は、専用メールアドレスや名簿を持つ独立した「AI同僚」として機能する点だ。さらに業務に応じて米Anthropicの「Claude」などもモデルとして選択可能。米Metaや米OpenAIとのパーソナルAI覇権争いが一気に過熱している。
モデルは「部品」 競合のClaudeも選べる現実路線
クリアン氏は公式ブログで「エージェントはGeminiで、その下で動くモデルは別に選ぶもの」だと位置付けた。既定では仕事ごとに最適なモデルを自動で選び、利用者が自分で指定することもできる。現在選べるのはGeminiの各モデルと米Anthropicの「Claude」で、今後は他社の非公開モデルやオープンモデルにも広げる。
理由として同氏は、タスクに最適なモデルが常に最先端モデルとは限らない点を挙げる。複雑な業務には高性能なモデルを当てて精度を上げ、単純作業はコストの低いモデルで済ませるというわけだ。
Googleによれば、AIが文章を処理するときの単位であるトークン当たりの価格は2024年から98%下がったものの、企業のトークン利用量は爆発的に増えた。簡単な処理まで高級なモデルで回せば、予算はすぐに底をつく。
もう一つの理由は、首位のモデルが数カ月ごとに入れ替わることだ。選択肢を開けておけば、首位が交代しても、エージェントに蓄えた社内の情報や業務の手順、データを動かさずに済む。
MetaやOpenAIも参戦 激化するAI覇権争い
パーソナルAIをめぐる競争は、このところ一気に激しくなっている。日本ではまだ使えないものの、米Metaは9月8日にパーソナルAI「Muse」を発表。これまでに米国、カナダで500万ダウンロードを記録し、週間ユーザー数は300万人を超える。最も普及しているパーソナルAIだ。消費者向けサービスとしてスタートしたが、10月に入り業務用ソフトとの連携を多数追加し、企業向けサービスとしてアピールし始めた。
イーロン・マスク(Elon Musk)氏率いる米SpaceXAI(スペースXAI)は8月11日にパーソナルAI「Grok Bot」をリリース。複数のエージェントのチームを構築できるとして人気で、週間ユーザーが41万人を超えた。OpenAIは業務用パーソナルAIの「Dots」を9月末にリリース。現在は高額の有料プラン限定だが、日本でも利用可能なため、国内ユーザーの間で話題を呼んでいる。
米Microsoft(マイクロソフト)も9月25日、裏で仕事を続けるエージェント「Autopilot」を含むCopilotの刷新を発表している。Anthropicは、開発コード名「Conway」と呼ばれるパーソナルAIの開発を終え、現在社内で試験運用中だと報じられている。
本記事は、エクサウィザーズが運営するAI新聞内の記事「GoogleもパーソナルAI『Gemini Agent』を発表」(2026年10月9日掲載)を、ITmedia ビジネスオンライン編集部で一部編集の上、転載したものです。
著者プロフィール
湯川鶴章
AIスタートアップのエクサウィザーズ AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。17年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(15年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(07年)、『ネットは新聞を殺すのか』(03年)などがある。
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