AIによる“社会崩壊”まで残り3年 トップ識者が警告する「地獄のシナリオ」(1/3 ページ)
AIがもたらす生産性の爆発は、最終的には人類に豊かさをもたらす可能性がある。しかしその途中には、社会が崩壊しかねない危険な移行期があるという。
「ユートピアか消滅か。それは最後の瞬間まで接戦のバトンリレーになるだろう。人類は宇宙での存続資格を得られるかどうかの『最終試験』に挑んでいる」
1981年、米国の建築家・未来学者バックミンスター・フラー(Buckminster Fuller)氏はそう語った。いま、この言葉が再び現実味を帯びている。
米実業家ピーター・ディアマンディス(Peter Diamandis)氏と、ベーシックインカムの提唱者として知られるアンドリュー・ヤン(Andrew Yang)氏は最近の対談で「AIによる社会変化に対処するために残された時間は1〜3年程度しかない」と警告した。
AIがもたらす生産性の爆発は、最終的には人類に豊かさをもたらす可能性がある。しかしその途中には、社会が崩壊しかねない危険な移行期があるという。
ヤン氏は、この移行期を乗り切るための3段階の社会モデルを提示している。
ベーシックインカムから「究極の豊かさ」へ 3段階の社会モデル
第一段階は UBI(Universal Basic Income:ベーシックインカム)。政府が全国民に一定額の現金を配る制度だ。AIによる雇用破壊が急速に進む中で、社会の安定を保つ「橋渡し」の役割を担う。
第二段階は UBS(Universal Basic Services)。医療、教育、交通などの基本サービスを公共インフラとして広く提供する仕組みで、現金給付に依存しない生活基盤を整える。
そして最終段階が UHI(Universal High Income)。AIとロボットがほとんどの生産を担い、人類全体が豊かさを享受できる社会である。
「もう新人は必要ない」 最初に消滅する若者のキャリア
しかし問題は、この未来にたどり着く前に社会が壊れてしまう可能性だ。すでにその兆候は現れ始めている。AIが最初に消し去りつつあるのは、キャリアの入り口となるエントリーレベル職だ。
米メディア「Morning Brew」の共同創業者オースティン・リーフ(Austin Rief)氏によれば、ある大手プライベートエクイティ企業の社内会議で最初のスライドに掲げられたのは「もう新人は必要ない」という言葉だった。AIが新人の分析業務を代替できるようになったためだ。
同様の動きはテック企業でも起きている。米決済企業Block社は約4000人を解雇したが、株価は逆に24%上昇した。
「人を減らすほど企業価値が上がる」というメッセージは、他のCEOにも強いインセンティブを与える。ソフトウェア開発の現場でも変化は急速だ。
かつての組織構造は、シニアエンジニアの下に多数のジュニアがいる「ピラミッド型」だった。しかしAI開発ツールの進化により、現在は「柱型」に変わりつつある。シニアが1人、ジュニアが1人程度で十分になり、若手が経験を積むための入り口そのものが消え始めている。つまり若者は、キャリアの最初の一段目にも登れないのだ。
© エクサウィザーズ AI新聞
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