なぜ今、日本に賭けるのか 米データセンターインフラ大手、バーティブが天王洲に拠点を構えた勝算(2/2 ページ)
米Vertiv日本法人が天王洲に新オフィスを開設した。ショールームを併設した狙い、国内のAIデータセンター需要に対する同社の戦略とは。
蓋を開ければ「想定の倍」 急増する日本企業からの需要
――併設したエクスペリエンスセンターの狙いを教えてください。
倉橋氏 データセンター設備の進化は非常に速く、トレンドも素早く移り変わります。最新ソリューションは、実物を見ていただくと理解が早いです。
エクスペリエンスセンターは、設備を体感していただくための最初のステップと位置付けています。ここでミニチュアを見てイメージをつかんでいただいた後、シンガポールやマレーシアにある製造拠点、さらには欧州にある実際のデータセンターへ案内する段階的なメニューを用意しています。
また、日本の耐震基準や防災設備を熟知する設計会社に、米国で活用している先進ソリューションを実際に見ていただけることも、エクスペリエンスセンターの重要な役割だと考えます。
――日本における今後の事業戦略を教えてください。
チャーチル氏 戦略の軸は2つあります。1つは、グローバルのハイパースケーラーへの対応です。彼らは日本でも2〜3年前から大規模なデータセンターの構築を始めており、今後3〜5年はこのペースが続くと見ています。これまでは東京や大阪への集中が見られましたが、今後は電源や土地、建設資源、そして通信の接続性(コネクティビティ)が確保できる「地方都市」への展開が見込まれます。この点においては、通信事業者との関係を非常に重視しています。
もう1つの軸が、日本国内の需要開拓です。AI技術が広がるにつれ、日本でも医療や製造など、さまざまな応用分野で需要が生まれます。
倉橋氏 もともと日本進出の直接のトリガーとなったのは、グローバル企業のお客さまから「日本でも一緒にやろう」などとお声がけをいただいたことでした。しかし実際に進出してみると、想定の倍以上の受注が積み上がっており、しかもそのうちの半分が、当初は想定していなかった日本企業からの相談でした。
当然、グローバルのお客さまからの要望にはこれまで通り適切に対処しつつ、これだけ需要のある日本企業への対応を、手つかずにしておくわけにはいきません。現在、営業人材などを積極的に採用し、日本市場にしっかりと対応するチームを作って展開を進めています。
データセンター事業者は、外資系であっても日本企業であっても、実は同じようなAIオフテイカー(エンドユーザー)を誘致しようと狙う群雄割拠の状況です。当社のお客さまであるデータセンター事業者が、どのオフテイカーをターゲットにしていくのか。そこに対し、バーティブがどうパートナーシップを組めるのかを共に考えていきます。
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