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「PC市場の成長ストップ」で苦戦のインテル 「半導体の崖」突破できるか、社長が語る変革への道筋(2/3 ページ)

かつて“半導体の巨人”と呼ばれていたIntelは、PC市場の成長鈍化などを受け不調の中にある。AI時代で半導体需要が高まる中、“最大の経営課題”を解決して変革を起こせるか。

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工程も電力も水も「約2倍」に増加 半導体工場が抱える課題

 AIブームによる半導体需要を取り込みたいIntel。しかし、半導体を作る工場には、解決すべき課題が横たわっている――半導体の製造装置やデータ基盤、電力設備を手掛ける日立製作所の網谷憲晴氏(執行役専務 コネクティブインダストリーズセクターCEO兼アーバンソリューション&サービスビジネスユニットCEO)は、こう指摘する。

 日立製作所の試算では、先端半導体の製造工程は、2026年の約1000工程から2030年には1500〜2000工程に増える。製造時に使う電力と水の量もそれぞれ約2倍になり、電力は約100万世帯分、水は人口30万人の消費量に相当するという。

 網谷氏は「(製造を最適化するために)データをどう制して技術をキャッチアップするか。電力と水をどう制して効率良く資源を保つか。この両立が必要だ」と述べる。

 インテルの大野社長も「半導体を作るには、かなりの電力と水を必要とする。AIの勢いからすると、今のままでは足りなくなってしまう」と危機感を示す。

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日立製作所の網谷憲晴氏(出所:配信映像のキャプチャー)

「1000兆点規模のデータ」をAIで検査 フィジカルAIで工場を回す

 半導体工場が抱える課題への解として、日立製作所が掲げるのがフィジカルAIだ。生成AIが文章や画像を生み出すのに対し、フィジカルAIは装置やセンサーなど実世界の機器から得たデータをAIで分析し、その結果を機器の制御にフィードバックして、産業現場の作業を最適化し続ける仕組みを指す。

 同社の構想では、フィジカルAIは4つの段階を循環する。高性能な計測・検査装置でデータを取り(Sense)、複数のデータを組み合わせて蓄積し(Store)、AIが工程内・工程間の最適化を判断し(Think)、その結果に基づく自律制御で高品質な製品を作る(Act)。決められた手順を繰り返す従来の「自動化」ではなく、判断と最適化を繰り返す「自律化」を目指す。

 フィジカルAIを活用して自律的に判断・動作する工場を実現できれば、エネルギーの使用量を最適化したり、製造スピードを高速化したりできる。日立製作所は、フィジカルAIを活用した電力設備運用ソリューション「HMAX Energy」を提供しており、Intelは主要な製造拠点にHMAX Energyを導入する計画だ。

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フィジカルAIで自律的に判断・最適化を繰り返す次世代ファクトリー(出所:日立製作所の講演資料)

 具体的には、日立製作所の計測装置や製造装置から集めたデータをAIで分析し、開発から量産への移行を早める。量産段階では、AIが装置の劣化を診断して保守の時期を最適化し、稼働率約95%を維持するめどを立てた。不良品を減らす「歩留まりの改善」では、1000兆点規模の検査データをAIで高速に分析し、欠陥への対策時間を約50%減らすことを目指す。

 大野社長は「2ナノになると肉眼では見えないし、顕微鏡で見ればいいというわけでもない。最終的にはAIに頼らざるを得ない。欠陥の数をいかに減らすかが、われわれの生命線につながる」と強調する。

 一方で、インテル自身のデータ活用は途上だ。「データを1カ所に集め、完璧なデジタルツイン(現実の工場を仮想空間に再現したもの)を作って、全ての製造プロセスを効率化できているかというと、そうではない」と大野社長は明かす。チップを組み立てて検査する「後工程」の自動化も、ウエハーに回路を作る「前工程」に比べて「10年ぐらい遅れている」という。

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