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日本の「造船業」は復活できるのか 国交省が「かつてない規模の予算」で挑むフィジカルAI(2/2 ページ)

人手不足と国際競争の激化に直面する日本の造船業。政府は2035年に国内の船舶建造量を倍増させる目標を掲げ、AIやロボティクスの活用を支援する。造船現場の生産性を高め、熟練技能者の技術を次世代につなぐ取り組みを追う。

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船体を垂直に登れるロボットの開発も

 こうした課題に取り組む企業の1つが、川崎重工業だ。同社は2020年度から、造船に関する情報をデジタル化し、現場の自動化を進める「造船DX」に取り組んできた。蓄積したデータやノウハウを生かし、フィジカルAIによる現場の変革を目指している。

 同社の社長直轄プロジェクト本部 ソーシャルロボット事業戦略部の藤本浩明氏は、造船現場の自動化が難しい要因として「作業環境の複雑さ」と、熟練技能者の経験に基づく「暗黙知」を挙げる。


造船現場の自動化が難しい2つの要因(講演会資料より引用、以下同)

 造船現場では、作業場所や姿勢が一定ではないため、工場の生産ラインのようにロボットの動きをあらかじめ決めておくことが難しい。

 こうした課題に対し、川崎重工は2つの取り組みを進める。1つは、人の動きを再現するロボットの開発だ。もう1つは、熟練作業者の作業を分析し、そこで得た知見をロボットやアプリケーションの開発に生かすことだ。

 具体的には、現場の作業者への聞き取りや造船所の視察を通じて、必要な機能を洗い出し、現場で求められる仕様を検討する。その上で、必要な技術の開発やシミュレーションを進めている。

 現在開発しているのが、船体の壁面に張り付いて移動する4脚型ロボットだ。溶接や塗装などができるアームを搭載し、垂直に近い壁面を移動しながら作業することを目指す。


壁面に張り付いて移動する4脚型ロボット

 藤本氏は「蓄積されたデータや知見を生かしながら、熟練技能者の暗黙知を抽出してロボットに反映していく。こういった成果の国内造船産業への展開や、造船産業の持続的な発展、地域経済の活性化にも貢献していきたい」と意気込んだ。

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