2015年7月27日以前の記事
検索
コラム

GMO謝罪会見、なぜここまで炎上?【危機管理のプロが徹底解説】(6/6 ページ)

不正アクセス問題で開かれたGMOインターネットグループの緊急記者会見。3時間超に及ぶ長丁場のなか、熊谷正寿代表の「命の砂時計」発言や社員への叱責など会見運営での対応が批判を浴びた。だが、外野から失点を採点しても意味はない。なぜ被害者感情とズレた会見が許されたのか、なぜ誰もトップを止められなかったのか。強いリーダーを擁する企業が直面する「危機管理広報と組織防衛の死角」を、専門家の視点から解き明かす。

Share
Tweet
LINE
Hatena
-
前のページへ |       

完璧な謝罪など存在しない 問われるのは「組織全体の備え」

 もし明日、自社で大規模な情報漏えいが起きたら、経営者に必要な情報はすぐに届くでしょうか。社内の誰かが、経営者に発信のリスクを率直に伝えられるでしょうか。経営者は、厳しい質問を受けても、相手が何を知りたいのかを見失わずに説明できるでしょうか。そして広報担当者は、会見の中身だけでなく、記者の取材環境や当日の運営まで責任を持って準備できているでしょうか。

 どれも、危機が起きてから初めて考えるには難しい問いばかりです。

 完璧な謝罪会見をすれば信頼が戻る、というものではありません。信頼を取り戻すのは、その後の対応と行動の積み重ねです。その出発点を支えるのは、経営者ひとりの力ではなく、組織全体の備えなのです。

 GMOの事例を批判の材料としてではなく、自社の危機対応力を見直すきっかけとして受け止めること。それこそが、今回の会見から受け取れる大切な教訓ではないでしょうか。

photo
経営者は、厳しい質問を受けても、相手が何を知りたいのかを見失わずに説明できるか

筆者紹介:大杉春子(おおすぎ・はるこ)

レイザー代表取締役/RCIJ代表理事

コミュニケーション戦略アドバイザーとしてPR戦略の企画から危機管理広報まで、企業・行政のブランド価値向上を包括的に支援。

日本において唯一、コミュニケーション戦略におけるリスク管理に特化したカリキュラムを展開する日本リスクコミュニケーション協会(RCIJ)を2020年に設立。

上場企業や防衛省での豊富な実績を持つ。危機対応を「担当部署任せ」にしないための学びについて、RCIJの取り組みはこちらをご覧ください。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る